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平成22年第303回(第3号)定例会-09月29日-03号

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  1. 栃木県議会 2010-09-29
    平成22年第303回(第3号)定例会-09月29日-03号


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    平成22年第303回(第3号)定例会-09月29日-03号平成22年第303回(第3号)定例会 〇九月二十九日(水曜日)  出 席 議 員 四十七名    一 番   齋   藤   孝   明    二 番   保   母   欽 一 郎    三 番   野   村   節   子    四 番   琴   寄   昌   男    五 番   金   子       裕    六 番   佐   藤       良    七 番   山   形   修   治    八 番   欠           員    九 番   松   井   正   一    十 番   一   木   弘   司    十一番   高   橋   修   司    十二番   阿   部   寿   一    十三番   山   口   恒   夫    十四番   相   馬   憲   一    十五番   若   林   和   雄    十六番   五 十 嵐       清
       十七番   岩   崎       信    十八番   櫛   淵   忠   男    十九番   小   瀧   信   光    二十番   小   林   幹   夫   二十一番   五 月 女   裕 久 彦   二十二番   欠           員   二十三番   欠           員   二十四番   佐   藤       栄   二十五番   山   田   美 也 子   二十六番   渡   辺   直   治   二十七番   小   高   猛   男   二十八番   中   川   幹   雄   二十九番   増   渕   三 津 男    三十番   花   塚   隆   志   三十一番   早   川   尚   秀   三十二番   青   木   克   明   三十三番   青   木       務   三十四番   神   谷   幸   伸   三十五番   栗   田       城   三十六番   島   田   文   男   三十七番   螺   良   昭   人   三十八番   野   田   尚   吾   三十九番   三   森   文   徳    四十番   菅   谷   文   利   四十一番   野   村   壽   彦   四十三番   阿 久 津   憲   二   四十四番   石   坂   真   一   四十五番   斉   藤   具   秀   四十六番   木   村   好   文   四十七番   髙   橋   文   吉   四十八番   渡   辺       渡    五十番   梶       克   之   五十一番   増   渕   賢   一   五十二番   板   橋   一   好 地方自治法第百二十一条の規定による出席要求によって出席した者                   知事       福   田   富   一                   副知事      須   藤   揮 一 郎                   副知事      麻   生   利   正                   総合政策部長   高   橋   正   英                   経営管理部長   小   暮   義   雄                   県民生活部長   荒   川       勉                   環境森林部長   三   浦   義   和                   保健福祉部長   北   澤       潤                   産業労働観光部長 大   森   敏   秋                   農政部長     吉   沢       崇                   県土整備部長   池   田       猛                   会計管理者会計局長                            我   妻   貞   雄                   企業局長     池   澤       昭                   総合政策部次長兼総合政策課長                            村   上   順   男                   財政課長     北   村   一   郎                   教育長      須   藤       稔                   代表監査委員   田   崎   昌   芳                   人事委員会事務局長                            湯   沢   敏   次                   労働委員会事務局長                            石   﨑       均                   警察本部長    石   川   正 一 郎             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎高野純一 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十六名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午前十時 開議 ○野田尚吾 議長 ただいまから本日の会議を開きます。  日程第一 第一号議案から第十一号議案まで、第十四号議案から第十九号議案まで及び認定第一号から認定第六号までを一括して議題とし、質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。発言通告者に対し、発言を許します。斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 質問の機会を得ましたので、発言通告に従い順次質問をしてまいります。私は、栃木県のさらなる飛躍・発展のため、新しい命の誕生の喜び、安心して子育て教育を行う、若い力が未来に向かって夢と希望に羽ばたき自分の魅力で躍動する、いつまでも若々しく生きる高齢者がゆとりある人生を送る、優しく人生の時を刻む、きょうも命いっぱいに生きる、そして、人間として生まれてきてよかったと心から感じられる人生をモットーに県土づくりに邁進し、これまで微力ではありますが、全力を傾注してまいりました。今後も取り組んでいけるよう研さん、努力をしてまいる所存でございます。知事初め、執行部各位におかれましては、あすの栃木県を開く熱意を県民に与えるようなご答弁をお願いいたしまして、質問に入らせていただきます。  まず最初に、知事にフードバレーとちぎの推進についてお伺いいたします。本県は、大消費地の首都圏に位置し、肥沃な農地や豊かな水に恵まれ、これらの優位性とすぐれた農業技術を生かして地域性豊かな農業が展開されており、四十一年連続で収穫量日本一のイチゴを初め、二条大麦、生乳やニラなどの農畜産物の全国有数の産地となっています。また、これらの恵まれた資源を背景に、大手の飲料・食料品製造業が立地しており、独自の技術力を有する地元の食品関連企業も多く、これらは本県の食の強みであると言え、今後、この強みを生かした産業振興が期待されております。こうした本県の食の潜在的な力を生かせる新たな取り組みの一つに植物工場が挙げられます。植物工場は工の先進技術を農へと活用する新たなビジネスモデルであり、その事業性や将来性などから海外でも注目されており、大きなビジネスチャンスととらえる企業も多数あります。  過日、私は、経済企業委員会の一員として、植物工場の事業化に成功した京都府の企業を調査してまいりました。この企業では、太陽光に依存しない完全閉鎖型工場で季節や天候に左右されず、変わらぬ価格、変わらぬ品質の野菜をスーパーなどに安定的に供給しております。価格においても、レタス一パック百五十八円を実現させ、消費者からも好評を博しており、経営の安定化も図られており、年商七億円とのことでございました。私は、このような植物工場を本県で育てていくことが、本県産業の活性化につながるものと確信しております。これからの植物工場には、農業や水管理、光合成の促進の技術などに加え、太陽光発電やLEDといった先端技術の活用が不可欠であると考えます。  折しも本年二月、宇都宮大学に太陽光やLEDを活用した持続可能な食料生産のモデルとして、サステーナブル・ビレッジが開設されたところであり、私は、産学官連携でこの技術を高度化することにより、私が常々提言している新たな創業を促進することも可能であると考えております。こういった意味からも、知事が先頭に立って推進しているフードバレーとちぎの展開の中で、産学官連携を重視していくことが重要であると考えます。そこで、知事は、今後フードバレーとちぎを目指して、どのような方針のもとに、具体的にどう施策を展開していく考えなのかお伺いします。  また、知事は、九月補正予算案にフードバレー関連事業として、食品産業産学官連携企業支援プロジェクト事業とフードバレーとちぎ農商工ファンド事業を計上しましたが、フードバレーとちぎの推進の中で、これらの事業をどのように活用していくのか、あわせてお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの斉藤具秀議員のご質問にお答えいたします。私は、本県の良質で豊かな水や農産物を生かし、食品産業など地域に密着した内需型の産業を振興することによりまして、国内外の経済環境の変化に左右されない厚みのある産業構造の構築を目指してまいりたいと考えております。このため、次期総合計画の重点戦略である「明日を拓く成長戦略」の一つといたしましてフードバレーとちぎプロジェクトを位置づけ、産学官連携による商品開発・技術開発、海外市場も視野に入れた販路開拓、栃木の強みを生かした企業誘致、農業を初めとする関連産業の高付加価値化の四つを柱として具体的な施策を展開することといたしました。  このフードバレーとちぎを目指す施策を推進するに当たりまして、私は、まずは、第一次産業から第三次産業までの事業者はもとより、大学、産業支援機関、金融機関などの関係団体を含めた産学官連携のネットワークを構築することが必要であると考え、県内各界の代表者に呼びかけ、過日、フードバレーとちぎ推進協議会(仮称)の設立発起人会を開催したところであります。  また、施策展開の四つの柱のうち、商品開発・技術開発と販路開拓につきましては、県内中小企業ニーズに基づく新事業展開を商品開発から販路開拓まで産学官金――金は金融機関でございますが、産学官金が連携して支援する食品産業産学官連携企業支援プロジェクト事業を新たに実施するとともに、中小企業者等と農林漁業者との連携した新商品開発などの取り組みに対し助成を行うため、フードバレーとちぎ農商工ファンドを創設することといたしました。  さらに、企業誘致につきましては、企業立地促進法に基づく各種優遇制度が活用できるよう基本計画の集積業種に食品産業を追加するとともに、引き続き食品関連企業に対する誘致活動や既に立地している企業の定着促進に積極的に取り組んでまいります。  また、農業を初めとする関連産業の高付加価値化につきましては、食品製造業や外食産業などの個々の用途に適した品質、規格、加工特性を持つ農産物を供給できる需要対応力の高い産地の育成による農業と食品産業との連携強化や、農業者みずからが加工、販売に取り組む、いわゆる六次産業化の推進等を通じて、県産農産物の高付加価値化や需要拡大を図ってまいります。  今後、十一月に設立予定のフードバレーとちぎ推進協議会におきまして、会員相互の活発な交流・連携が図られることを期待するとともに、こうした中で生まれる農商工連携などの新たな事業展開を積極的に支援することによりまして、食をテーマに地域経済が成長・発展し活力あふれるフードバレーとちぎを目指してまいります。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 知事のお考えをお聞きし、知事が提唱したフードバレーとちぎを目指す取り組みが着実に進みつつあると、心強く思った次第でございます。  一つ要望させていただきます。先ほど私は、先進的な取り組みとして植物工場の事例を紹介いたしましたが、フードバレーとちぎの推進の中で、新しいビジネスが数多く展開されていくことを願っており、フードバレーとちぎの取り組みの中でも、創業に対する機運を醸成していくことが重要であると考えております。私はこれまで、創業や新事業の創出について、機会あるごとに創業するなら栃木県と声を大にして主張し、創業しやすい環境整備について提言してきたところでございます。県においても、ぜひともフードバレーとちぎを目指す中で、私が提唱している創業するなら栃木県という風土をつくり上げていってほしいと要望いたしまして、次の質問に移ります。  次に、地域産業の振興についてお伺いいたします。最近の本県経済は、大手企業を中心に生産などが持ち直しておりますが、デフレ基調の中で円高や株安が進行しており、中小企業にとっては依然として厳しい経営環境が続いております。  私の地元足利市を中心とした両毛地域の地域産業は、古くからの足利織物、足利銘仙、トリコット、ニットなどの繊維産業に加え、近年は金型、プレス、プラスチックなど基盤的技術産業が集積し、本県のものづくりを支える重要な役割を担っております。しかしながら、その多くが下請企業であり、輸出関連企業も多いことから、一昨年の世界同時不況の影響が甚大であったことに加え、昨今、円高傾向が続いていることによる影響も懸念されております。私は、本県経済の活性化のためにも、本県産業の基盤となっている両毛地域における地域産業の振興が大変重要であると考えておりますが、中小零細企業が多くを占める地域産業が、この苦境を乗り切るには、企業みずからの努力だけでは限界があり、県の支援が必要であると考えております。  そこで、県では、両毛地域の地域産業の振興について、県南地域地場産業振興センターを拠点にどのように取り組んでいくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。  また、特に足利地域の伝統的な地域産業である繊維産業は、とりわけ零細企業が多く、後継者不足も深刻となる中で、平成二十年の工業統計調査結果では、足利市の製造品出荷額四千百七十九億六千万円のうち、繊維工業品が百八十八億四千三百万円、構成比率四・五%と全産業中七位を占めております。ちなみに一位はプラスチック製品でございます。事業所数では百六十九で全体の二〇・六%で第一位であり、従業員数にいたしましても千六百九十一人と全体の九・七%を占め、四位となっております。  ジャパンクリエーション二〇一一が十月十三日から十五日の三日間、東京ビッグサイト一般社団法人日本ファッションウィーク推進機構の主催、そして、経済産業省と独立行政法人中小企業基盤整備機構の後援により開催され、国内外のバイヤー、繊維ファッション系学校その他繊維産業関連業者等が多数来場されることが予想されております。そこに足利繊維業界からも九企業が出展し、足利市の繊維産業を栃木県の産業として大いに発信する予定となっております。私は、この催しに毎年訪れておりますが、ことしも会場に行き調査研究をするとともに、栃木県議会議員として激励してまいる予定でございます。  また、来る十二月三日、四日にかけて、第三十四回足利繊維まつり足利繊維まつり実行委員会主催により足利市民会館で開催され、足利の繊維製品のすぐれた製品の総合展示やファッションデザイン展が催されます。県においても、繊維技術支援センター職員が実行委員会の委員として参加するほか、繊維技術支援センターが繊維製品を出展する予定となっており、この催しにより多くの市民、県民に繊維のまち足利を共感していただいているところでございます。  また、九月十五日の日本経済新聞紙上に、足利市の金井染工さんが、県の産業技術センターと共同で新たな染色技術開発に向け試行錯誤を重ねていることが掲載されておりました。金井染工さんは、綿繊維にプリーツ加工などを施し、しわをつけた形状を記憶させ、形崩れしないという技術が、平成二十年度に栃木県フロンティア企業として認定され、話題になったのであります。  このように、県のフロンティア企業認定制度の活用を一段と進め、不況の中でもきらりと輝く企業を育成する施策展開についても、さらに積極的に進めていくべきだと思います。私は、足利地域を代表する繊維産業を活性化させることが、両毛地域の産業の活性化にもつながるものと考えております。そこで、県は、今後、繊維産業の振興にどのように取り組んでいくのか、あわせて産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 大森敏秋産業労働観光部長。    (大森敏秋産業労働観光部長登壇) ◎大森敏秋 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。基盤産業が集積し本県のものづくり産業を支える両毛地域は、世界同時不況や昨今の円高等の影響により、総体的に厳しい経営環境にあるものと考えております。ものづくり中小企業が、このような状況に適切に対応していくためには、新技術・新製品の開発や製品の高付加価値化による競争力の強化を図るとともに、すぐれた独自技術を積極的にPRしながら販路開拓に取り組むことが重要でございます。このため、県では、財団法人栃木県南地域地場産業振興センターを拠点とし、企業の製品デザイン力の強化を図るため、過去三年間でございますが、五十企業に専門家を派遣するとともに、全国規模の産業展示会への出展支援や個別企業の経営基盤強化等を目的とした企業OBの派遣など、きめ細かな企業支援を実施しているところでございます。  次に、足利の繊維産業につきましては、高い技術力等が評価されまして海外の大手メーカーとの取引を開始した企業もございますが、全体としては安価な輸入品との価格競争や多品種、小ロットの受注がふえるなど、厳しい経営環境が続いているところでございます。このような中、県繊維技術支援センターでは、企業の競争力強化を図るため、新技術による繊維製品の高付加価値化に向けた研究のほか、地元企業との共同によるトーションレースを産業資材として活用する技術の共同開発など、新分野進出につながる研究開発にも取り組んでいるところでございます。さらに、今年度から新たに、緊急雇用の基金を活用し、企業現場での人材育成や技術ノウハウの継承を目的とした中小企業ものづくり技術者育成支援事業によりまして、繊維関連企業等も含めて後継者の育成を図っているところでございます。今後とも、中小企業や業界の抱える課題やニーズを踏まえながら、県南地域地場産業振興センターの各種事業を積極的に活用するとともに、地元市町村や商工団体等と連携し、繊維産業はもとより両毛地域の地域産業の振興に努めてまいります。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 次に、北関東自動車道開通に向けた観光客誘致についてお伺いいたします。私が先日訪れた神戸市では、多様な景観がコンパクトに集まる市の優位性を活用し、市と観光協会などが協力しながら、映画やテレビドラマなどの撮影といった映像企画を神戸に誘致する活動を行っておりました。そこでは、撮影を誘致するだけではなく、誘致が成功し撮影が終了したロケ地を改めて観光資源と位置づけ、ロケ地をめぐるまち歩きツアーを企画するなど、ロケ地への観光客誘致に向けてのさまざまな取り組みを積極的に行っており、多くの観光客の誘致に成功している様子を調査することができました。神戸は観光地ランキングでも常に上位を占めている日本有数の観光地でありますが、こうしたところであっても、常にたゆまぬ努力を重ねている姿を知り、本県の観光客の誘致にさらに力を入れる必要性を再認識した次第でございます。
     さて、北関東自動車道は現在、佐野田沼インターチェンジから太田桐生インターチェンジの間の工事を進めており、平成二十三年春に全線開通予定と伺っております。私ども県議会議員の現在の任期中に何とか間に合う予定であるようです。北関東自動車道の全線開通を機に、観光資源を生かして、全国各地からさらに多くの方々に足利市を初めとし本県を訪れていただくためには、個々の観光地だけではなく、近隣県と連携した広域的な取り組みが重要であると考えております。  そこで、北関東自動車道全線開通を見据え、県では、他県と連携した広域的な観光客誘致についてどのように取り組んでいくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 大森敏秋産業労働観光部長。    (大森敏秋産業労働観光部長登壇) ◎大森敏秋 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。北関東自動車道の全線開通や茨城空港の開港により、近隣県を初めとする首都圏や交通利便性が向上する信越・中部地方などに加えまして、海外からの観光客の増加が今後期待できるところでございます。このため、誘客対策として、まず、ことしの夏、行楽シーズンに合わせ、茨城県と連携し北関東自動車道沿線市町のコンビニエンスストアに両県の観光パンフレットを設置し、PRに努めたところでございます。また、北関東三県の広域観光推進協議会では、国内向けに、足利市など沿線地域を含めた三県を周遊するモデルルートを掲載したパンフレット「北関スタイル(仮称)」を現在作成しております。これを東名や中央自動車道などの主要なサービスエリアで配布するほか、名古屋や大阪の旅行会社やマスコミに対し、キャラバンによるプロモーションを行ってまいりたいと考えております。さらに、海外向けには、東アジアを中心とした旅行エージェント等を招請し旅行商品の造成を働きかけるなど、茨城空港を活用した誘客にも努めてまいります。今後とも、北関東自動車道の全線開通を見据え、近隣県との連携を強化し、より効果的な国内外からの誘客に努めてまいります。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 次に、今後のイノシシ対策についてお伺いいたします。近年、県内各地で野生鳥獣類による農作物被害が目立っており、特にイノシシ被害が増大しております。県が行った野生鳥獣類による農作物への被害状況調査によりますと、平成二十一年度の鳥獣類による農作物被害額は全体で三億九千万円となっております。この中で、イノシシによる被害額は、ここ二年でわずかに減少はしているものの、依然として一億円を超えており、シカ、サルなどを含む獣類被害額全体の過半数を占めている状況にあります。特に足利市や佐野市などでは、イノシシの生息域が山間部はもちろんのこと田園地帯にまで拡大し、夜のうちに集団でやってきて、収穫前の稲が一夜のうちに荒らされてしまうといった農作物被害が非常にふえております。さらに、最近では、中山間地域のみならず市街地での出没も数多く見られており、民家の塀の下まで掘られたりしています。両毛地区のイノシシは、放獣されたイノブタ由来の可能性が高いといわれており、ほんの二十年ぐらい前までは生息をしておりませんでした。ところが、平成十年ごろから急速に分布が拡大しており、両毛個体群における捕獲数も急速に増加しており、今では地域にとって大変迷惑な存在になっております。山間部の畑では、まずサツマイモはつくれないと言われており、最近では、ジャガイモの種芋や里芋まで被害に遭っており、私も何度も被害現場を見てきたところでございますが、被害に遭った県民からは、県の対応はどうなっているのかとのおしかりをちょうだいしているところでございます。  私は、これ以上の被害の拡大を防止しその軽減を図るためには、速やかに捕獲数をふやし個体数を調整する必要があると考えております。そこで、県では、本年度からイノシシ保護管理計画の二期計画をスタートしていると聞いておりますが、今後のイノシシ対策をどのように進めていくお考えか、環境森林部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 三浦義和環境森林部長。    (三浦義和環境森林部長登壇) ◎三浦義和 環境森林部長 ただいまのご質問にお答えいたします。イノシシ対策につきましては、捕獲倍増事業などにより捕獲の促進に努めました結果、昨年度は二十年度の一・六倍、過去最高の六千九百頭余りを捕獲したところでございます。しかしながら、依然として被害は一億円を超える高い水準にありますことから、より一層捕獲の強化を図る必要がございます。このため、保護管理計画の捕獲目標頭数を改定いたしまして、市町村が行います個体数調整の日当や成果報酬に対する補助を増額したほか、狩猟期間の延長や捕獲可能区域の拡大など、狩猟規制の緩和を行っております。また、今年度新たに猟友会のご協力をいただきながら広域捕獲隊を編成し、とめ刺し技術を持った捕獲の担い手が市町村を超えた広域で活動できる体制を構築してまいります。さらに、現在、東京農工大、宇都宮大学と連携し、足利市毛野地区や佐野市下秋山地区などにおいて、イノシシの生態について詳細な実態の把握を進めており、その結果を踏まえ、より効果的な被害対策につなげてまいります。今後とも、地元市町村と一体となり、関係団体等とも連携を図りながらイノシシ対策に積極的に取り組んでまいります。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 一点再質問をさせていただきます。私がイノシシ対策で再質問をするには相当な決意がいるわけでございます、い年生まれでございますので……。聞くところによりますと、県東部において、本県と茨城県の県境十二市町を含む茨城・栃木鳥獣害広域対策協議会を結成し、広域的な取り組みを進めているとのことであります。この協議会の広域連携の取り組みの一つとして、中でも那珂川町においては、平成二十年度にイノシシ処理加工施設を設置し、この協議会に加入している隣接市町からも捕獲したイノシシを受け入れ、加工したものを道の駅や温泉旅館などで提供し、地域の特色ある資源として活用するなど、好評を得ていると伺っております。私は、安足地区でもこのような広域的な取り組みを進めるべきだと考えておりますが、県はどのようなお考えか、農政部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 吉沢崇農政部長。 ◎吉沢崇 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。お話のありました県東部の協議会におきましては、情報交換を初め、野生鳥獣被害の分析、また、一斉捕獲など、関係市町村が連携して実施して成果を上げているところでございます。こうした取り組みの成果につきまして、安足地域にも積極的に情報を提供しながら、市町村間の広域的な取り組みにつながるよう環境森林部とともに支援してまいりたいと考えております。  また、那珂川町でのイノシシの肉につきましては、「八溝ししまる」と命名して、加工販売などをしながら地域の活性化につなげているところでございます。安足地域におきまして、現在、処理加工施設について検討が進められていると伺っており、具体的な整備や新たな商品開発等に当たりましては、県としても、国の交付金事業等を活用しながら整備してまいりたいと考えております。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 次に、介護職員確保対策についてお伺いいたします。社会保障国民会議の推計によれば、平成二十年に約百二十四万人であった介護労働者は、高齢化のさらなる進行に伴い、団塊の世代が七十五歳になり切る平成三十七年には、最大で現在の二倍となる二百五十五万人が必要になるとされております。まさに介護が雇用創出の場として期待されるゆえんでございます。しかしながら、介護労働者をめぐる現在の雇用環境は決して楽観できるものではありません。県が昨年実施した介護職員実態調査によりますと、介護職員の充足状況については「不足傾向にある」と回答した介護事業者が実に四割にも上っております。また、県内の福祉・介護施設で働いている介護職員の離職率は約二割となっており、就業者の五人に一人がこの一年で職を離れている状況にあります。さらに、離職者のうち約八割もの方が三年未満という短い期間で職場をやめている実態が明らかになっております。また、介護の仕事を選んだ理由として、「働きがいのある仕事だから」や「人や社会の役に立ちたいから」といった前向きな回答が大勢を占める一方で、介護の職場を離れた理由では、運営の不満や収入の少なさ、職場の人間関係といった事業所側の対応を挙げる声が多く見られております。高い志を抱いて介護の仕事を選んでも、自分の思いと介護の現場で求められることとのギャップに悩み、短期間で離職してしまう方も少なくないのではないでしょうか。  このように、介護・福祉施設で働いている介護職員の多くは、給与や処遇上の不満を抱えながら多忙で骨の折れる仕事に従事しているのが現状であり、結果として職員の入れかわりが激しいことから、職員の安定確保はもとより、専門性の確保についても困難な状況であります。このため、私は、将来にわたって質の高い福祉・介護サービスを提供するには、必要な介護労働力を安定的に確保し、介護職員の定着を促進するとともに、専門性の向上を図ることが喫緊の課題であると考えております。そこで、県では福祉・介護人材の離職防止、安定確保、資質の向上にどのように取り組んでいくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 北澤潤保健福祉部長。    (北澤 潤保健福祉部長登壇) ◎北澤潤 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。介護職員を将来にわたり安定的に確保するには、高い離職率に歯どめをかけるとともに、多様な人材の参入を図る必要があります。このため、県では、介護の現場を直接感じてもらう職場体験や個々の求職者にふさわしい職場の紹介、キャリアアップに向けた養成校の教員による巡回指導、さらには、再就業支援研修や処遇改善交付金の活用等に取り組んでおります。特に今年度からは、介護人材の確保と専門性の向上を目指して、離職者等を対象に、働きながら介護福祉士等の資格を取得できる介護雇用プログラムの推進に努めているところであります。今後とも、介護職員の安定確保に向け、国の追加経済対策の動向を注視するとともに、各種事業を積極的に推進することにより介護職員の就労条件や職場環境の改善を図り、専門性や社会的評価を高めながら離職防止や新規就労の一層の促進に努めてまいります。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 要望いたします。今、福祉施設での職員の確保という意味で質問をさせていただきましたが、福祉と雇用について少し角度を変えてみますと、障害のある方の雇用の問題があります。介護福祉施設の現場においても、障害のある方が雇用され、その能力を発揮し、就労を通じた社会参加を果たしております。私が言うまでもなく、現在、県では、新とちぎ障害者プラン二十一に基づき、働くことを希望されている障害のある方がその能力を発揮し、就労を通じた社会参加を果たすとともに、職業的自立を図るための取り組みの一つとして、障害者就業・生活支援センターをすべての障害保健福祉圏域に設置し、障害のある方の課題に応じて、雇用や福祉の関係機関との連携のもとに、就業面や生活面の一体的な支援を行っております。  七月の有効求人倍率は、全国が〇・五三倍、栃木県が〇・五一倍、私の住む足利市はずっと低くて〇・四七倍であるなど、雇用を求める方々にとって依然として厳しい就労環境にあります。こうした中にあって、特に障害者にとっては極めて厳しい状況にあり、就職を希望されている障害のある方がなかなか就職することや職場に定着することができないと聞いております。一方で、一般の民間企業の事業主は、障害者雇用促進法に基づき、全従業員数のうちの障害者数を、法定雇用率一・八%以上にしなければならないこととされておりますが、実際には、この規定を達成している事業所の数はそれほど多くはないと私は考えております。質問の冒頭でも少し申し上げましたが、すべての県民が豊かさ、安心・安全、幸せ、そして、人間として生まれてきてよかったと心から感じられる人生や県土づくりに取り組むという意味でも、厳しい社会情勢にあって、障害のある方にさらにしわ寄せがいくようなことは絶対に防がなければならないと思っております。  そこで、県においては、みずからの法定雇用率を速やかに達成する取り組みを進めることは当然のこととして、障害のある方の雇用の促進については、他の地方公共団体や一般の民間企業、特殊法人等に対し、さまざまな機会をとらえ、さらに積極的に、また、粘り強く取り組んでいただきますよう強く要望するものでございます。  また、福祉の現場である施設の運営問題で申し上げれば、障害者自立支援法において、障害福祉サービスの利用するサービスの種類が、日中か夜かといった組み合わせ方によって支給量が異なるという問題があります。具体的には、障害のある方が施設に入所している場合において、その施設で日中は生活介護というサービスを利用し、夜間は施設入所支援というサービスを利用しておりますが、この場合、生活介護サービスは、一月のうち八日間はこのサービスを利用できないという制限が生じているのであります。これについて、国は、施設入所支援の報酬の中で評価しているとしながらも、土日等日中支援加算という制度を設けましたが、この単価が、入所者を受け入れ、障害のある方の支援を行っている施設にとっては、著しく低額であり、施設運営に大変苦慮していると聞いております。  私は、施設からの支援は、障害のある方にとっての生活の基本となっているものであり、自立または社会参加への第一歩でもありますことから、施設の安定的な運営の支援はぜひ進めなければならないことであると考えております。そこで、県においては、こうした現場の実態について改めてご認識をいただき、障害者福祉のさらなる向上のため、さまざまな機会をとらえ、国に対して、必要な措置を講じるよう働きかけを行っていただくよう要望いたしまして、次の質問に入ります。  次に、足利市における社会資本の整備について、県土整備部長に三点お伺いします。まず、県道松田大月線の整備についてでございます。県道松田大月線は、足利市中心部から松田川ダムや名草巨石群などの景勝地がある足利市北部地域を結ぶ幹線道路でございます。そのような中、先ほどの質問でも触れましたが、来年のゴールデンウイーク前には北関東自動車道が全線供用開始することが確定し、本路線に近接している足利インターチェンジが整備されることから、足利市北部地域への入り込み客の増加も期待され、本路線の交通量も大幅に増大すると思われます。しかしながら、足利市松田町地内から月谷町地内に至る通称馬打峠を含む区間は、幅員が狭く屈曲箇所が連続し、車両のすれ違いが困難であるなど、交通の難所となっており、北関東自動車道全線開通後の交通事故の多発などが懸念されております。このような認識のもと、私は、これまで機会あるごとに本路線の整備促進を訴えてまいりました。そのかいあってか、峠部分を除いた区間についてはこれまでに事業着手され、着実に整備が進められております。しかしながら、肝心の峠本体区間についてはいまだに事業着手されておりません。そこで、公共事業が大幅に削減されている現状ではありますが、ぜひ必要な本路線の整備について、今後の見通しを県土整備部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 池田猛県土整備部長。    (池田 猛県土整備部長登壇) ◎池田猛 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。松田大月線の整備を初め本県の道路整備に当たりましては、通学路の歩道整備や交通事故対策等を優先するとともに、事業の進捗状況や緊急性を考慮しながら整備を進めることとしております。  この方針に基づきまして、県道松田大月線の馬打峠を含む未整備区間約二キロメートルのうち、月谷町地内で特に道路付近が狭く曲がりくねって交通の障害となっている約三百メートル区間につきまして、現在整備事業を進めており、約九割の進捗状況となっております。引き続き早期供用できるよう努めてまいります。また、峠を含む残る一・七キロメートル区間の整備につきましては、多大な事業費が必要となりますことから、足利市内の道路ネットワーク上の位置づけや北関東自動車道開通後の交通量の推移及び道路構造、整備の緊急性を考慮しながら、引き続き整備の進め方について検討を進めてまいります。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 二点目として、県道足利館林線野田バイパスについてお伺いいたします。私は、足利市経済が発展していくためにも、足利市南部の工業団地群の活性化が何よりも重要と考えております。そのためには、まず、円滑な物流を支える幹線道路の整備は必要不可欠であります。このような中、当該路線では、県により野田バイパスの整備が進められておりますが、一刻も早い完成が望まれております。そこで、野田バイパスの整備の現状と今後の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 池田猛県土整備部長。    (池田 猛県土整備部長登壇) ◎池田猛 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県道足利館林線は、足利市街地と館林市街地を結ぶ幹線道路であるにもかかわらず、川崎橋南交差点からトラック団地までの区間は、道路幅員が狭く道路線形が屈曲し、また、沿道に人家が連なって建っていることもございまして、沿道の方々の安全・安心を確保する上で早急な整備が必要であると考え、平成二十年度から約一・八キロメートル区間のバイパス事業に着手いたしました。これまで地元の関係者のご理解が得られたことから、トラック団地側から順次用地取得を進めており、現在、用地取得が約七割、改良工事が約四割の進捗状況となっております。今後は、できるだけ早い時期に、残る用地取得を進めるとともに、一部区間におきまして隣接する市道を歩道として利用するなど、整備の効率化を図りながら、早期供用に向けて工事を推進してまいります。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 三点目として、一級河川矢場川についてお伺いいたします。一級河川矢場川につきましては、住宅密集地となる国道五〇号の上流側はいまだに改修が行われていないため、平成二十年八月の集中豪雨により浸水被害も発生しております。このときには、当時の足利土木事務所の職員が、浸水被害に遭った地域に素速く駆けつけ、被害を受けた南大町地域の住民が行っている片づけなどに積極的に協力し、または、必要な支援を行っておりました。このときの県の迅速な対応について、地域住民から私のところにも感謝の言葉が数多く寄せられております。また、県民の安心・安全を守るといった県職員のこうした誠意ある努力・姿勢や、この事業の必要性について改めて認識したこともあり、この事業の推進については、地域住民も積極的に協力する態勢となっております。そこで、県では、平成十九年にこの区間の事業に着手いたしましたが、今後の整備見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 池田猛県土整備部長。    (池田 猛県土整備部長登壇) ◎池田猛 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。矢場川は、直轄管理区間境から主要地方道足利太田線までの六・九キロメートルを事業区間として整備を進めており、平成十九年度までに下流から国道五〇号に至る約五・八キロメートルの整備が完了いたしました。残る国道五〇号から上流につきましては、これまでも何度か浸水被害が発生していることから、人家が密集している東武伊勢崎線までの九百五十メートルを優先区間として平成十九年度に事業着手し、平成二十年度から用地取得を進めてまいりました。今年度は、引き続き用地取得を進めるとともに、護岸工事や人道橋のかけかえ工事などをすることとしております。これによりまして、優先区間の進捗率は平成二十二年度末で約四割となる見込みでございます。今後とも、足利市及び地元関係者のご理解を得ながら積極的に事業を推進してまいりたいと考えております。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 要望いたします。本県の財政が極めて厳しい状況にあり、公共事業費も聖域なく削減されている状況は理解しております。しかしながら、私は、県民の安全で安心な暮らしを確保するためには、一定の社会資本整備は推進していかなければならないものであるとも考えております。必要な社会資本の整備については、ぜひとも積極的に取り組んでいただきますよう強く要望いたしまして、次の質問に入ります。  次に、高等学校教育の充実についてお伺いいたします。近年、いわゆるゆとり教育が実施されて以来、児童生徒の学力低下を危惧する声が続いております。その後、中央教育審議会の答申を受け、文部科学省は学習指導要領の改訂を行い、本年四月から一部が先行実施されております。新学習指導要領は子供たちの生きる力をはぐくむという理念を実現するために、その具体的な手立てを確立するとの観点から改訂されましたが、こうした中、県では、保護者と連携しながら児童生徒に学ぶ意義を考えさせ、家庭学習の習慣化を図るために「家庭学習のすすめ」という印刷物を児童生徒や保護者などに配付したり、小中学生の教科の知識・技能の定着を図るため、すべての児童生徒が各学年で身につけるべき基礎的、基本的な知識・技能などをとちぎの子どもの基礎・基本として示してその習得状況を調査したりするなど、学力向上に取り組み成果を上げていると聞いております。  さて、私は先日、とちぎの教育振興対策特別委員会の一員として足利清風高等学校を訪ねる機会がございました。そこでは、少人数による習熟度別の授業や地域と連携した授業など、各生徒の求める内容に柔軟に対応しつつ粘り強く指導を続けているなど、魅力ある学校づくりに向けたさまざまな取り組みがなされており、生徒が充実した学校生活を通して高等学校段階で身につけるべき学力を習得していく様子を見ることができました。足利清風高校では、校長が、学校を活性化するために部活動に力を入れようと考え、率先して中学校を回ったとのことで、部活動をやる子は成績もよいそうでございます。また、進路指導の先生が、求人がない企業に対し、あいさつ状を十年以上も継続して出すなどの地道な努力も行っておりました。こうした努力の結果として、平成二十一年度には、高等学校を中途退学した者の割合が、県全体では一・九%と全国で高いほうから四番目でございましたが、足利清風高校では、驚きますことに、一年間の退学者がわずか一名でした。また、この不況下にあって就職希望者の就職率一〇〇%を達成し、事務職の求人に対して、既に生徒の就職が決まっていたので企業にお断りをした事例もあったとのことでした。さらに、生徒と学校・教職員の良好な信頼関係が構築されている様子も見ることができ、確実に成果を上げられていました。  私は、高等学校の教育活動は、小中学校で学んだ基礎・基本の上に、その成果をさらに発展拡充させていくよう行われていくべきであり、今後は、さきに述べました小中学校の取り組みを高等学校にどのようにつなげていくのかが重要だと考えております。そこで、高等学校での教育の充実についてどのように取り組んでいくのか、教育長のお考えをお伺いします。 ○野田尚吾 議長 須藤稔教育長。    (須藤 稔教育長登壇) ◎須藤稔 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。本県の未来を担う子供たちの育成につきましては、幼小中高の一貫した連続性と積み上げの中で、栃木らしさを生かした教育を展開することが必要と考えております。そのため、県教育委員会におきましては、義務教育段階で身につけるべきとちぎの子どもの基礎・基本を示し、その上で、高校教育への円滑な移行を図る指導事例・評価問題集を作成し活用を促しているところでございます。  また、各高等学校におきましては、地元中学校への授業の公開、小中学生を交えた活動の場の設定、情報交換を積極的に行うなど連携に努めているところでございます。今後とも、各高等学校が三年間で保障する学力を明確にした上で特色づくりを推進し、生徒の多様な能力を伸ばすとともに、地元に有為な人材を育成できるよう高等学校教育の充実を図ってまいりたいと考えております。 ○野田尚吾 議長 斉藤具秀議員。    (四十五番 斉藤具秀議員登壇) ◆四十五番(斉藤具秀議員) 要望いたします。最近、私の住む足利市からお隣の群馬県の高等学校に通学している生徒が多いと聞いております。私の調査したところによりますと、足利市内の中学校から群馬県立太田高校に入学した生徒の数は、現在、各学年に四人ずつおり、合計十二名となっております。太田高校は普通科の学校でございますが、地元の普通科の高等学校があるにもかかわらず、約三十キロメートル以上も離れた高等学校を選択するということについて、どのように考えたらよいのでしょうか。進学を重視している普通科の高等学校において、進学実績は一つの成果と言えるのではないかと思います。例えば太田高校は過去五年間で東京大学の合格者を二十三人出しております。地元の高等学校はわずか五年間で二人でございます。いわゆる難関大学に合格した生徒の数だけで、その学校の優劣を判断することは適当ではありません。しかしながら、地元の高校と太田高校を比較すると、総合的に太田高校のほうがよい実績を上げているということも認めざるを得ないと思うのです。すべての生徒、保護者がそうであると言い切ることはできませんが、中学校の生徒や保護者は、よい実績を上げている学校に魅力を感じ、できるならそうした学校を選択したいと思うはずであります。  私は、本県の生徒や保護者が県外の高等学校を選択しているという事実は簡単に見逃すことはできないと思います。進学実績の例は一例にすぎません。しかし、私は、本県の県立高等学校において魅力ある学校づくりを進める必要があると考えております。そのためには、充実した三年間の学生生活を送らせることはもちろんですが、卒業後の進路指導をしっかりと行うことは大きな要素であると考えます。私は、各学校の特色化や個性化を推進し、高校教育への多様なニーズにこたえられる豊かな選択肢を提供するという意味では、例えば進路指導に意欲と実績のある教員を配置して生徒の学力向上を図る進路指導重点校や就職支援に特に力を入れる高校など、特色ある学校づくりを進めることが重要だと考えております。県においては、特色ある学校づくりを積極的に進め、生徒や保護者から選ばれる学校をつくっていただくよう取り組んでいただきたいと要望いたします。  時間がありませんので、以上で終わらせていただきますが、本日は、産業振興対策を中心にさまざまな視点からお尋ねをいたしました。地域経済が低迷し、経済・雇用対策、少子・高齢化対策、地球環境問題への対応、生きる力・心の教育の推進など、県政を取り巻く課題が山積する中、さらなる栃木県の発展と県民福祉の向上を図るため、知事初め執行部の皆様方には、なお一層の努力をお願い申し上げまして、私のすべての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 ○野田尚吾 議長 この際、十五分間休憩いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午前十時五十九分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎高野純一 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十四名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午前十一時十五分 開議 ○神谷幸伸 副議長 議長の都合によりまして、私が議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。  ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 発言通告に従いまして順次質問をさせていただきます。中国市場拡大に向けた香港駐在員の機能強化についての質問に入る前に、一言申し上げさせていただきます。今月七日、沖縄県・尖閣諸島の日本領海で、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突するという事件が発生いたしました。船長が逮捕されたことをめぐり、中国政府は、我が国との閣僚級以上の省庁間交流の停止や日本青年上海万博訪問団千人の受け入れを拒否するなど、対抗措置を講じ、船長の釈放後も謝罪や賠償を求めるなど、強硬な姿勢を崩していません。昨日から態度の軟化も見受けられるようになってきましたが、中国は尖閣諸島について、一方的に領有権を主張しています。尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題は存在しないことから、政府には、今後、毅然とした態度で外交交渉に臨むよう要望いたしまして、質問に入らせていただきます。  アメリカのリーマンショックに端を発した世界金融危機から二年が過ぎ、日本経済もようやく景気の底を脱し、回復基調にあると言われていますが、地方の中小企業においては、今も厳しい経営環境が続いています。ことしの七月に発表された二〇一〇年度の年次経済財政報告書によりますと、日本だけが主要先進国の中でデフレ状況にあるとし、内需拡大の必要性を指摘していますが、所得が伸び悩む中、これ以上の国内消費の拡大は望めない状況にあります。こうした中、県では、県内食品関連産業の振興を目指すフードバレーとちぎの取り組みの一つとして、海外への販路拡大を掲げるとともに、観光立県栃木を目指して、現在、策定が進められている観光振興計画においても、外国人観光客の誘客について盛り込もうとしております。  このような国際化を進めるに当たり、最も有力な相手と考えられるのが、近年、経済成長が著しく、二〇一〇年のGDPが日本を抜いて世界第二位になると見込まれている中国であります。また、中国に関しては、貿易だけではなく、観光においても、七月に中国人の観光ビザの発給要件が大幅に緩和され、ビザの取得対象がこれまでの十倍の一千六百万世帯に増加するなど、今後、中国からの観光客の増加が見込まれています。  私は、今後、市場として大きな期待が持てる中国に対し、本県企業の進出や観光客の誘客をさらに進めていくためには、香港駐在員の機能強化が必要であると考えております。こうした中、福島県、茨城県におきましては、既に中国の上海に複数の駐在員を配置しておりますが、県は、中国市場におけるビジネスチャンスの拡大に向け、香港駐在員の機能強化について、どのように取り組んでいこうとしているのか、知事にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの相馬議員のご質問にお答えいたします。アメリカやEU諸国等の成長率は、緩やかな回復状況が予測される中、中国は一〇%を超える成長率が見込まれるなど、世界じゅうから注目される市場となっております。本県は、これまで中国への販路拡大を目指す県内企業を支援するため、商談会の開催や国際見本市への出展支援などにより、加工食品を中心とした県産品の販路拡大を促進してまいりました。特に香港におきましては、駐在員の企画力やネットワークを活用したプロモーションの実施によりまして、お米でありますが「なすひかり」等が継続的な取引に結びついており、また、八月に開催した商談会では、百六十九件の商談が行われ、そのうち三十九件が継続商談中であります。さらに、観光客の誘客につきましては、香港や浙江省及びその周辺地域を中心に、旅行エージェント等へのセールスや観光展への出展などの誘客活動を行ってきたところであります。  今後、フードバレーとちぎで位置づけられた海外市場も視野に入れた販路開拓や増加が見込まれる中国人観光客の誘客を行うためには、日本貿易振興機構や国際観光振興機構等との連携を強化するとともに、香港を初めとした中国の現地の生きた情報を持つ海外駐在員の活用が一層重要になってまいります。  そのため、現在、策定を進めております国際化推進プランや観光振興計画におきまして、県産品の輸出の拡大や外国人観光客の誘客など、中国との経済活動の促進を重要な課題として検討しているところでありますが、海外駐在員の機能強化やあり方につきましても、中国市場の動向や県内企業のニーズ等の観点から、今後、幅広く検討を行ってまいりたいと考えております。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 本年五月に、香港と中国広東省深セン市に行ってまいりました。最初に、ジェトロ香港センター、栃木県香港駐在員事務所で現地の概要の説明を受けた後、現地のスーパーマーケットやデパートの食品売り場を回りまして、日本産農産物の流通状況についての調査をしてまいりました。この中で、現地の日本企業の関係者など、多くの方々と情報交換を行ってきたわけでありますが、最も印象に残ったのは、日本の牛肉に対する需要がとても多いことでございました。香港などには相当の富裕層がいるので、値段は高くてもいい、質のいい牛肉をもっと輸出してくれれば、販売先は十分にあるという声をよく耳にいたしました。幸い、とちぎ和牛は、昨年の全国肉用牛枝肉共励会で大田原市の牛が日本一になるなど、高く評価されており、海外からこうした要求があった場合でも、十分こたえられる品質を備えていますので、輸出拡大につながるのではないか期待を膨らませています。  しかし、帰ってきてからいろいろ話を聞きますと、本県には、食肉を輸出する際に必要な輸出認定施設がないため、群馬県の施設にわざわざ輸送して食肉の処理、加工をしなければならず、牛肉の輸出をしようとしても、制約があることがわかりました。現在、県内には三カ所の屠畜場がありますが、とりわけ老朽化が叫ばれております宇都宮市川田町の屠畜場施設の建てかえの際には、輸出認定施設としての条件を満たした施設として整備されることが、最もよろしいのではないかと考えております。こうした状況を踏まえて、今後、本県産の牛肉の輸出拡大をどう図っていくのか、県の考えを農政部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 吉沢崇農政部長。 ◎吉沢崇 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。牛肉の輸出につきましては、これまでアメリカ合衆国に向けて、とちぎ和牛の輸出拡大に取り組んできたところでございます。また、本年一月に香港で開催いたしました県の商談会に、初めてとちぎ和牛を出展して、輸出先から高い評価を得ているところでございます。しかしながら、本年四月に国内で口蹄疫が発生し、これに伴いまして、主たる販売先でありますアメリカ合衆国への輸出がストップしている現状でございます。今後、我が国が口蹄疫の正常国として承認され、アメリカ合衆国向けの輸出が解禁された際には、速やかに牛肉の輸出が再開できますよう、また、香港等における販売の新規開拓が図られるよう、団体等の取り組みを支援していきたいと考えております。  なお、お話しの施設整備につきましては、現在、栃木県畜産公社のほうで検討されているところでございます。県としても、適宜適切な指導、助言をしていきたいと考えてございます。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 今、栃木県畜産公社で、どういう施設整備にするか検討されているというお話でありますが、ぜひ国際基準を満たした、輸出できるような加工施設にしていただきたいという思いがあるのですが、農政部長としては、そのあたりは栃木県畜産公社に丸投げしてしまうのか、それとも農政部として積極的にかかわって輸出ができる施設にしたいと考えているのか、その点お聞かせいただきたいと思います。 ○神谷幸伸 副議長 吉沢崇農政部長。 ◎吉沢崇 農政部長 ただいまの再々質問にお答えいたします。一つは、栃木県畜産公社の運営の中で新たな施設整備をする上で、経営的にうまくいくかどうかということがございます。それと、輸出の量がこれからどのようになっていくか、その推移も見ていく必要があると思っております。そのあたりを踏まえながら、県としてできる助言等をしていきたいと考えております。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 栃木県畜産公社の方とよく話をしていただきたいと思うのですが、この施設整備をやろうとすれば、多額の費用もかかると聞いておりますが、そのときには、国際基準を満たした施設にぜひしていただきたいと強く要望したいと思います。と申しますのは、今、わざわざ群馬県の施設を使ってやっていますが、海外ではA五以上のいい肉しか求めていないわけなのですが、それは屠畜をして初めて肉質がわかるということになっておりまして、A四以下のものであったならば、本当に安い値段で買いたたかれてしまいます。肥育農家も含めて、とちぎ和牛を推進しようという川上の整備をしても、川下に向けての流通過程の一つを担う屠畜場の整備をしっかりやっていかないと、海外、そして、国内に向けても、販路拡大にはつながっていかないと思いますので、ぜひ整備されますよう要望させていただきます。  また、駐在員の機能強化の問題は、今、こういう時期でございますから、時期を見ながら、タイミングを見ながらということになってくるかと思いますが、ぜひ香港駐在員の機能強化につきましては、熟慮して強化する方向で考えていただきますよう要望して、次の質問に入らせていただきます。
     次に、情報ネットワーク社会の構築について伺います。現在、我が国では、全世帯の九割で高速、大容量の通信が可能な光アクセス網の整備がされていると言われております。しかし、そのうち、利用されているのは三割にすぎないということで、総務省では平成二十七年ごろを目途に、全世帯がブロードバンドサービスを利用する光の道を実現するとしています。  県が平成二十一年三月に実施したブロードバンド整備状況実態調査によりますと、本県のブロードバンドの世帯カバー率は九七・四%、そのうち光アクセス網の整備率は八三・九%という結果になっています。地域ごとの整備状況を見てみますと、県北の山間地域では、ブロードバンドの提供がされていない、いわゆるブロードバンド・ゼロ地域が多く、大田原市や日光市では四千世帯を超えている状況でありました。その後、ブロードバンド・ゼロ地域を解消するために、民間事業者が整備できなかった地域を、大田原市などでは、市町村が主体となって光ファイバー網の整備を進めています。  こうした取り組みによりまして、本県のブロードバンド環境はほぼ整いつつありますが、今後の課題となるのが、三割と低迷している光ファイバーによるブロードバンドサービスの利用率の向上を図ることであります。そのためには、地域の現状や社会経済情勢を踏まえた上で、利用者の利便性の向上や地域の活性化につながる取り組みを進めていくことが必要であります。例えば過疎化が進む地域での遠隔診療、高齢者への生活支援、さらには、地上デジタル放送の難視対策など、さまざまな分野で活用を図っていくことが重要であると考えております。  そこで、県では現在、次期ITプランを策定していると聞いておりますが、本県において、光アクセス網の整備が相当進んでいる現状を踏まえ、県は、どのような情報ネットワーク社会を構築しようとしているのか、経営管理部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 小暮義雄経営管理部長。    (小暮義雄経営管理部長登壇) ◎小暮義雄 経営管理部長 ただいまのご質問にお答えいたします。本県におけるブロードバンドの世帯カバー率は、先ほどのご質問で平成二十一年度整備状況実態調査のお話がございましたが、その後の県内の情報通信基盤の整備によりまして、本年度末には県内の約九九・八%、そのうち光ファイバーは約九四%となる見込みでございます。一方、議員ご指摘のように、光ファイバーを実際に契約した世帯は、本年三月時点で、全国と同様の約三〇%にとどまるなど、今後は、その利用拡充が課題となっております。  こうした中、国におきましては、本年五月に策定いたしました新たな情報通信技術戦略におきまして、だれもがICTの恩恵を実感、享受できる光の道の完成を目指すとしております。県といたしましては、これら国の動向に留意しながら、本年六月に設置いたしました栃木県ICT推進懇談会における意見も参考にし、来年三月を目途に、新たな情報化計画の策定を進めているところでございます。  今後は、これまでに整備された光ファイバーを中心といたしまして、国、市町村や通信事業者などと密接な連携を図りながら、医療・福祉、防災等暮らしに密着した分野での有効活用を促進し、県民生活の利便性の向上を図ってまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) ただいま医療や福祉などの分野での有効活用を図り、暮らしに密着したICTの利用を進めていくというご答弁がございました。光の道の基本構想の方向性も、公共機関の先導的役割ということで、このICTの利活用を上げる努力を、規制緩和も含めてやることが国の方針で決まっているわけであります。  十数年前になりますが、群馬県のある村に行きました。その当時は、まだ光ファイバーなどは敷設されていない時代でありましたが、そこの地域では、ひとり暮らしや老人世帯に対して村役場からテレビ電話を配付し、一軒一軒保健婦さんが、元気ですかと電話をされていました。これから高齢化社会を迎えるに当たって、一軒一軒訪ねて歩き、見守りをしていくことも大変重要でありますが、行政の役割として、この光ファイバーを使った高速ネットワークで、安否の確認であるとか健康管理をやれる可能性がふえてきたと私は思っております。ブロードバンドの世帯カバー率が九九・八%ということで、あと〇・二%、何とか一〇〇%に近づけてもらうような努力をしていただかなければならないと思います。また、高速ネットワーク、特に光ファイバーのネットワークが九四%になる見込みということでありますが、光ファイバーで一〇〇%栃木県を網羅するような努力も、これからしていただきたいと思っております。  と申しますのは、今までこの議場で、何回も携帯電話の不感地域の問題が、中山間地域であるとか山間部の問題の中で取り上げられましたが、光ファイバーが県内全域に広がれば、この不感地域の解消はいとも簡単にできるということを、私は通信事業者から聞いております。携帯電話の不感地域の解消の問題も、この光ファイバーの一〇〇%敷設にかかってきていると思いますので、ぜひ積極的に取り組むことを要望させていただきます。次の質問に入らせていただきます。  次に、森林保全について伺います。熱波や干ばつ、豪雨による洪水など、異常気象が世界じゅうで発生する中、水不足も地球規模で進行しております。今後、新興国や開発途上国において、工業化や人口増加が進めば、水需要はさらに増加し、世界各地で水不足が深刻な問題になると危惧されております。水は、人類はもとより、すべての命が生存するために欠くことのできないものでありますが、地球上で約八億を超える人が、安全な水を確保できない環境での生活を余儀なくされております。  こうしたことを背景に、人間の生活や経済活動に欠かせない水を供給する、いわゆる水ビジネスは、二〇二五年には約八十七兆円の規模に達すると言われており、世界じゅうの企業が水ビジネスに注目しています。こうした中、昨年、外国企業が本国の水需要を満たすため、水源地としての機能を持つ森林を大規模に買収しようとする動きが日本各地で活発化しているという新聞報道がありました。記事では、林野庁が都道府県に調査をした結果、契約に至ったケースはなかったものの、外国資本による水源地の売買を把握する制度や山間部では地下水のくみ上げ量に対する制限が、現在のところないということを指摘しておりました。  さらに、今月には、テレビ番組の中で、北海道倶知安町の山林五十七ヘクタールが外国企業によって買収されていたことがわかり、北海道庁では、森林の乱開発につながるおそれがあるとして、北海道全体の森林を調査するということが報じられておりました。私は、これを見たとき、心配していたことが現実のものになってしまったと思うと同時に、果たして本県は大丈夫なのか、大変不安になりました。  そこで、水源地として、また、防災面でも重要な機能を有する本県の森林について、県は、外国資本の土地取引の状況を把握しているのか、また今後、どのように対応しようとしているのか、環境森林部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 三浦義和環境森林部長。    (三浦義和環境森林部長登壇) ◎三浦義和 環境森林部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。外国資本による森林買収の状況につきましては、林野庁が、都道府県を通じ、平成二十年六月から全国調査を行っております。現時点で、四道県で売買あるいは買収話があったという事例が報告されておりますが、本県におきましては、現在のところ確認されておりません。  森林の取引につきましては、議員ご指摘のとおり、現行制度のもとでは売買に関する規制がなく、また、外国資本による買収を即時に把握するのは困難な状況にございます。森林は、水資源の涵養や県土の保全等、県民の暮らしに欠くことのできない重要な役割を果たしており、元気な姿で次世代へ引き継いでいく必要がございます。このため、県といたしましては、今後も、市町村や森林組合等と連携して情報収集に努めてまいりますとともに、外国資本の森林買収の状況を的確に把握する手法等につきまして、他県等の状況も参考にしながら調査・研究してまいりたいと考えております。  また、現行制度の中ではございますが、保安林制度等を最大限活用いたしまして、森林の適正な保全管理に努めてまいるとともに、とちぎの元気な森づくり県民税等を活用いたしまして、森林の大切さを広くPRしながら、県民全体で森林を守り育てる意識の醸成を図ってまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 要望させていただきます。この問題は、国会でも取り上げられ、自由民主党、そして、民主党の議員からも政府に対して質問しております。外国資本による水源林用の買収活動が活発化しているが、立法の必要性について、日本政府はどのように考えるのかという質問の内容でありますが、いずれの質問に対しても、現在、そういう事例が認められないので、立法の必要性はないと、余り危機意識を持った答弁になっていないのです。今、現行の法律の中で、保安林の制度を活用しながら、これからやっていくということでありますが、これは買われてその権利を主張されてからでは遅くなってしまうと感じております。私は、新しい法の整備も必要かと思いますが、それはやらないと政府は言っておりますので、現行制度の中で守れるものは守っていくという精神で、ぜひ環境森林部長を初め、その防衛策に当たっていただくことを要望し、次の質問に入らせていただきます。  昨日、自由民主党議員会の五十嵐清議員からも質問のあった新型インフルエンザについてでございますが、昨年四月にメキシコで発生しました新型インフルエンザは、五月には国内で患者が確認され、その後、通常ではインフルエンザが流行しないとされている夏場においても、感染の拡大が続きました。最終的には、国内で約二千万人が新型インフルエンザに罹患したと言われておりますが、医療関係者を初め、関係機関などの懸命なご努力によりまして、幸いにも死者は他の国に比べて低い水準に抑えられました。  県におきましても、四月末に開催された知事を本部長とする栃木県新型インフルエンザ対策本部会議を皮切りに、発熱電話相談センターや発熱外来の設置、新型インフルエンザワクチンの接種体制の整備や接種、医療体制の確保など、次々と対策を講じてまいりました。こうした取り組みが、新型インフルエンザの感染拡大に対して、一定の成果を上げてきたことは承知しておりますが、休日の医療体制やワクチン接種の取り組みなどにおいては、課題が残されたものと思っております。  一方、国の取り組みに関しては、ことしの六月に新型インフルエンザ対策総括会議から厚生労働省に対しまして、今後の流行に対処するための提言がなされたところでございます。この提言の中には、地方自治体に対する指摘もありまして、国の行動計画などの対策の見直しを踏まえながら、地域の実情に応じた実効性のある行動計画の策定などを行うべきであるとしております。さらに、ことしの八月、国の新型インフルエンザ対策本部において、政府は、今回の新型インフルエンザ対策の経験などを踏まえ、高病原性の鳥由来新型インフルエンザが発生した場合に備えて行動計画の見直しを行うなど、早期に新型インフルエンザ対策の再構築を図ることとする、新型インフルエンザに対する今後の取り組みが示されたところでございます。  そこで、今後、発生が懸念されておりますウイルスの変異や高病原性の鳥由来新型インフルエンザの発生に備えまして、平成十七年十一月に策定した栃木県新型インフルエンザ対策行動計画の見直しを初め、万全の対策を講じておく必要があると考えておりますが、県は、どのように対応していこうとしているのかお伺いいたします。  また、昨年、流行した新型インフルエンザにおいて、医療機関にワクチンの接種を受けに行った際、患者で込み合う待合室で感染してしまったという例や、接種を受けに医療機関に子供を連れていく親の負担が大きいという話を聞いております。こうした中、一部の市町村では、学校で集団接種を実施したり、役場が窓口になり、ワクチン接種を希望する住民を医療機関に振り分けたという取り組みがありましたが、保護者や住民、医療機関から大変好評であったということです。  そこで、学校などでの集団接種に取り組んでいくことが、ワクチンの接種率を高める上で極めて有効であると思いますが、県の考えを保健福祉部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 北澤潤保健福祉部長。    (北澤 潤保健福祉部長登壇) ◎北澤潤 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、現在、これまでの新型インフルエンザ対策の検証作業を進めており、今後、その結果を踏まえ、ウイルスの感染力や病原性に応じた柔軟な対策が講じられるよう、行動計画の見直しを行う予定であります。また、高病原性の鳥由来新型インフルエンザの発生に備え、流行状況や病原性の監視を行うとともに、県医師会等の関係機関との連携を図りながら、感染対策に配慮した医療提供体制を整備するなど、これまでの経験を十分に生かし適切に対応してまいります。  ワクチンの集団的接種につきましては、医療機関や保護者の負担を軽減し、接種希望者が効率的に接種を受けられるなど、一定の効果が認められております。県としては、市や町が集団的接種を実施する場合には、接種後の副反応への対応など、安全かつ円滑な接種に必要な体制が十分に確保されるよう、技術的な助言や先進事例の紹介など、適切な支援に努めてまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 今、ご答弁がございましたが、新型インフルエンザワクチンの接種率を高めるためには、集団接種を実施することが有効でありますので、いろいろ課題があると思いますが、ぜひ県が先頭に立って県医師会と連携をとり、市町村や医療機関などと調整を図りながら、前向きに取り組んでいただきますよう要望させていただきます。  次に、農業用ダム、頭首工、用排水機場などの農業水利施設の保全管理について伺います。この問題は、農業用水の安定的な供給を図るために、国や県などが主体となり、昭和三十年代から整備が進められてきました。この結果、本県における農業用ダム、頭首工、ため池などは二千カ所を超えるとともに、農業用の水路延長は約一万六千キロメートルに及び、食料の安定供給を担うための生産基盤として、また、洪水防止など、国土保全の面からも、社会資本として重要な機能を担っております。  しかしながら、これらの施設のうち、受益面積百ヘクタール以上の基幹的な農業水利施設は、十年後にはその約七割が耐用年数に達すると見込まれ、近年、老朽化に伴う維持補修費の増加や崩落事故の発生など、さまざまな問題が生じております。また、農業従事者が減少し、地方の財政状況が厳しくなる中、政権交代に伴い、国の土地改良関連予算が大幅に削減されるなど、今後、施設管理が一段と厳しくなることが予想されております。  そこで、これまで以上に計画的な施設管理を行い、農業水利施設の長寿命化によるライフサイクルコストの低減を図っていくことが必要であると考えますが、県は、今後、どのように農業水利施設の保全管理に取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 吉沢崇農政部長。    (吉沢 崇農政部長登壇) ◎吉沢崇 農政部長 ただいまのご質問にお答えいたします。農業水利施設につきましては、食料生産や国土保全に必要不可欠な社会資本でございますが、農業従事者の高齢化や農業所得の減少などによりまして、適切な維持管理が年々難しくなってきている状況でございます。県は、これまで、施設の長寿命化によりコストの低減を図るストックマネジメントの手法の導入など、保全対策の取り組みを推進してきたところでございます。しかし、議員ご指摘のように、今後、耐用年数を迎える施設がさらに増加することから、こうした取り組みを一層促進していく必要があると考えております。  このため、県では、将来にわたり施設機能が安定的に発揮できますよう、ストックマネジメント手法を取り入れた農業水利施設保全管理指針を現在作成しているところでございます。今後は、この指針に基づきまして、関係機関等が連携し、土地改良区などの施設管理者に対しまして、より適切な保全管理について普及促進を図りますとともに、技術力向上に向けた指導や管理体制の構築を支援いたしまして、計画的、効率的な施設の管理や必要に応じた整備を推進してまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 要望させていただきます。今、平成二十三年度の予算編成に対していろいろな団体からの要望が上がっていると思います。農政部のほうにも当然上がっており、農業水利施設は寿命が間もなく来るので、しっかりとした整備をやっていただきたいと、どの農業団体からも要望があることは十分ご存じだとは思うのですが、今の県の考え方を各農業団体の皆様にわかっていただくような説明を、ぜひしていただきたいと思っております。  また、国に対しては、これからこれだけの需要が見込まれるのだから、何とか予算をつけていただくような活動も、ぜひ行っていただきますことを要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、県土整備行政について四点お伺いいたします。まずは、社会資本整備の推進についてお伺いいたします。国土開発について述べたある本の中に、「今日、我が国では、財政状況が厳しいから、社会資本整備などやる余裕はないといった議論が多く聞かれる。しかし、私たちの先輩は、非常に厳しい生活を送る中で、この国土をつくり上げてきたのである。そういった過去の人々の努力の成果のもとに生きているということを、私たちはすっかり忘れているのではないか」という一節があります。社会資本整備は、現在に生きる人のためだけではなく、私たちの子孫である将来を生きる人のためでもある。それゆえに、一時的な社会経済情勢だけで社会資本整備の是非を決めることは、将来に禍根を残すことになりはしないかと、この著者は警鐘を鳴らしております。  今年度、国においては、コンクリートから人へのスローガンのもと、公共事業関係予算が前年度比で一八・三%減と、過去に例を見ないほど大幅に削減されました。これは、県で今年度から財政再建を目指し取り組んでおりますとちぎ未来開拓プログラムにおける公共事業費の削減率をはるかに上回るものであり、安全・安心な県民生活と地域の活力の源泉となる社会資本整備の進捗に大幅なおくれをもたらすこととなり、本県経済に与える影響ははかり知れないものがございます。  そこで、県においては、今後とも、国に対し、地方における厳しい社会資本整備の実情を訴え、事業費の確保について強く働きかけるとともに、国費等が削減され、予定されていた社会資本の整備が実施できない今日の状況においては、補正予算に加え、来年度の当初予算の編成においても積極的に取り組み、県費を充当してでも必要な社会資本整備を実施すべきと考えますが、県の対応を知事にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。道路や河川等の社会資本は、地域の経済活動を支えるとともに、県民の安全で安心な生活を守り、世代を超えて後世に引き継がれるべきものであります。これまでも地域の産業や経済の発展を支えるための幹線道路網の整備、県民の安全・安心な生活の確保のための通学路の歩道整備や事故危険箇所解消などの交通安全対策、水害や土砂災害から生命財産を守る河川改修や砂防施設整備などに取り組んできたところであります。しかし、いまだ十分な状況ではないことから、引き続き必要な社会資本の整備を進めていくことが重要であると考えております。  こうしたことから、今議会におきまして、県民の安全・安心の確保や災害の未然防止など、早急に取り組まなければならない対策に要する経費につきまして、補正予算を上程いたしました。今後とも、全国知事会等あらゆる機会をとらえて、県の実情を強く国に訴えてまいりますとともに、厳しい財政状況にありましても、県民一人一人が安全で豊かな生活を実感できるよう、真に必要な社会資本の整備を着実に進めてまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 知事におかれましては、ぜひ全国知事会等を通じて、積極的に国に対して働きかけを行っていただきますようお願い申し上げます。  二点目は、道路、河川等の施設管理についてであります。公共事業費が減少する中、これからの公共事業は、既存施設の老朽化などに対する維持管理や異常気象などに対する防災、災害復旧などの施設管理のウエートが高まってくると思われます。しかしながら、財政状況の悪化に伴い、今後、さらに公共事業費が削減されることになれば、道路補修などの施設の維持管理費まで削減せざるを得ないことになります。その結果、利用者である県民に不便をかけたり、場合によっては危険な状態で供用せざるを得なくなるのではないかと危惧されております。  一方、維持管理の担い手である建設業者にとっても、受注機会の減少に伴い厳しい経営環境を強いられており、さらなる経営の悪化、ひいては倒産や廃業に至ることになり、地域によっては、日々の維持管理や災害時などの緊急対応にも支障を来しかねない状況にあると聞いております。このような中、県は、道路、河川などの緊急点検や除雪などの業務を、一括発注するモデル事業に取り組もうとしておりますが、このねらいと今後の方向性について県土整備部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 池田猛県土整備部長。    (池田 猛県土整備部長登壇) ◎池田猛 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県民の安全・安心な日常生活を確保するためには、道路、河川などの身近な施設を常に健全な状態に維持保全しておく必要がございます。しかし、緊急時の点検や道路の除雪につきましては、業務の担い手となっております建設業界におきまして、作業が深夜、早朝にわたることによる人員の不足や除雪車などの運転手の高齢化あるいは特殊車両の維持費の増大などから、実施体制の弱体化が心配されておりまして、このままでは安全で円滑な交通の確保に支障が生じるなど、県民サービスの低下を招くおそれがございます。  そこで、地域ごとに細分化していた点検や除雪の業務を統合し、広域的に一括して発注することによりまして、必要な人員、機械を効率的に運用し、機動力のある維持管理体制を確保していきたいと考えております。今年度は、日光地区におきまして業務の一括発注を試行的に実施し、その結果を検証し、今後の効率的な維持管理体制のあり方を検討してまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) モデル事業ということで、これから様子を見てやっていただくことになると思いますが、この事業は大変大事だと思うのです。ことし、参議院議員選挙が行われましたが、その候補者の一人が、災害の現場というと自衛隊しかテレビに映らないが、一番苦労しているのは、実は建設業者の方ですよと。災害が起きた道路を、自衛隊が通れるように先に来て道路をつくり、その後を自衛隊が通っているが、その道路をつくっているところは、決してテレビでは放映されないということを言っておられましたが、なるほどと思いました。建設業者の方は、県との防災協定といいますか、災害協定をよく守り、災害が起きたときには、現場に早く駆けつけて道路を整備しているおかげで、自衛隊の災害活動もできるのだとも言っておられましたが、まさにそのとおりだと思います。地域ごとにやっていると、先ほど県土整備部長の答弁にもありました重機の問題であるとか深夜や早朝の人員不足の問題などもありますから、このモデル事業が成功して県内全域に広まることを期待しておりますので、ぜひバックアップをよろしくお願いしたいと思います。  次に、野崎工業団地周辺の交通対策についてお伺いいたします。昭和四十九年に分譲を開始いたしました野崎工業団地は、二十社を超える有力企業が操業しておりまして、本県を代表する産業団地として、大田原市を中心とした地域経済の中で、雇用の創出など重要な役割を果たしております。  しかしながら、団地の大動脈と言える国道四号は、団地周辺で恒常的な交通渋滞が発生しておりまして、周辺市町や団地から早期整備が求められております。さらに、通勤時間帯には、工業団地周辺の県道や市道においても激しい交通渋滞が発生し、これを避けて住宅街に多くの車が流入するため、子供たちを初め、地域住民は大変危険な思いをしております。また、工場再編や産業団地間の競争が激化する中で、企業にとって交通事情の悪化は、物流効率化の大きな障害となるため、早急な対策が必要であると考えております。  そこで、県は、団地周辺の道路整備について、国へ積極的に働きかけるとともに、地元の市町と連携しながら、渋滞改善に向けた取り組みを推進すべきと考えますが、今後の対応について県土整備部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 池田猛県土整備部長。    (池田 猛県土整備部長登壇) ◎池田猛 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。野崎工業団地周辺におきましては、国道四号の二区交差点や土屋交差点、県道西那須野下石上線と市道N一―一号線との交差点におきまして、朝夕激しい渋滞が発生しております。そのため、国道につきましては、国におきまして二区交差点を含む四・六キロメートルの区間が、西那須野道路として、現在、整備が進められております。また、土屋交差点を含む未整備の区間につきましても、四車線化やバイパスの整備が必要なことから、これまで国に対して整備を要望してまいりました。  今後も、地元と協力しながら、あらゆる機会を利用しまして、西那須野バイパスの整備促進と未着手区間の早期事業着手につきまして、事業主体であります国に対し積極的に働きかけてまいります。また、県道の交差点につきましては、今年度、平面図を作成し、渋滞対策を検討する予定でございます。今後とも、野崎工業団地周辺の渋滞対策につきまして、地元市と協議調整しながら積極的に検討してまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) ぜひ国に対して、国道四号線の土屋交差点を含む道路の整備などについても、継続的にこれからも要望活動をやっていただきたいと思います。今、答弁になかったのですが、野崎工業団地の周辺整備の中で重要な路線、国道四六一号線から野崎工業団地に向けて整備計画があります都市計画道路三・三・三野崎跨線橋通りというのがあるのです。これは大田原市と那須塩原市にまたがる道路なものですから、地元市との研究が必要であると以前から私は思っているのですが、ぜひ県は、都市計画道路三・三・三野崎跨線橋通りを両市と一緒になって研究していただきますように要望いたします。それでは、最後の質問に入らせていただきます。  次に、土木遺産についてお伺いいたします。さきに述べましたとおり、社会資本というのは先人たちの努力の結晶であり、特に長い年月を経て、今も人々の生活を支え、なれ親しまれてきた土木施設は、地域のシンボルであります。また、我が国の歴史の生き証人であるとともに、近世、近代の土木技術の貴重な史料でもあるため、私は、地域の遺産として、可能な限り後世に引き継いでいくべきであると考えます。  国では、こうした土木施設を近代化遺産という分類のもと、文化財に指定するとともに、土木学会でも土木遺産として認定し、歴史的土木構造物の保存に力を入れております。さらに、長年にわたり地域の発展などに役立ってきた土木構造物をこうして指定することは、公共事業に対する理解につながるとともに、熊本県の通潤橋のように、土木遺産に指定されたことで施設そのものが観光の目的となるなど、観光資源として地域の活性化に資する可能性も秘めております。  そこで、本県に数多くある土木構造物を土木遺産等として積極的に指定し、保存、活用していくことが必要であると考えますが、県の考え方を県土整備部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 池田猛県土整備部長。    (池田 猛県土整備部長登壇) ◎池田猛 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。土木遺産は、長年にわたり人々の安全な暮らしと経済を支え、地域のシンボルとしても、その保全と活用が必要であると認識しております。県内では、那須野ケ原開拓に大きな功績を果たした那須疏水の旧取水施設が国の重要文化財に指定されておりますし、また、那珂川にかかる晩翠橋などが土木学会の認定を受けております。  県では、土木学会と協力して、地域の歴史や公共物の役割などを広く県民の皆様方にご理解いただくために、観光案内のホームページやパンフレットなどへの掲載や県民向けの見学会を開催しております。本年十一月には、晩翠橋や黒川発電所の膳棚水路橋などをめぐる見学会を予定しております。  今後とも、市町村との連携のもと、県内に数多く残る地域の歴史的、文化的な土木構造物が、土木遺産として認定されるよう積極的に取り組むとともに、新たな観光資源として、地域の活性化にも役立つよう努めてまいります。 ○神谷幸伸 副議長 相馬憲一議員。    (十四番 相馬憲一議員登壇) ◆十四番(相馬憲一議員) 今、見学会などでこういう施設をめぐるというお話がありましたが、見学会だけではなく、ふだん訪れても、そこが土木遺産であることをわかるようにぜひしてもらいたいのです。といいますのは、土木遺産になっていることすら地元の人は知りませんし、遺産になっていることがわかったとしても、これがどういう理由で土木遺産に認定されたのか、その歴史的経緯や構造のことなどの説明書きが現場にはないのです。ですから、今、何カ所指定されているか、私はわかりませんが、今お話のあった那須疏水の旧取水施設、また、晩翠橋や黒川発電所といったところに、どういう理由で土木遺産に指定されているのかという説明書きを、ぜひ設置していただくことを要望させていただきます。  先人たちが築き上げてきた土木施設を、近代遺産や土木遺産として可能な限り引き継いでいくことは、我々の当然の務めであると思いますし、県土整備部にお願いしたいのは、これから県土整備部が手がける構造物はすべて土木遺産にするぐらいのつもりで、ぜひいい物をつくっていくのだという気概で、今後の土木行政に携わっていただきますようにお願い申し上げまして、すべての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○神谷幸伸 副議長 この際、休憩したいと思います。午後一時十五分から再開いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後零時十四分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎高野純一 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十二名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午後一時十五分 開議 ○神谷幸伸 副議長 ただいまから会議を開きます。
     議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 秋の長雨といいますが、まさに外はさわやかな秋晴れで、質問のほうはさわやかかどうかわかりませんが、答弁のほうはひとつさわやかにしていただきたいと思います。  最初に、菅改造内閣に対する知事のスタンスについてお伺いします。一カ月間の政治空白を生んだと言われる民主党の代表選が終わり、菅直人首相の勝利によって、脱小沢なのか挙党一致内閣なのか、どうにもわからない菅改造内閣が発足いたしました。脱小沢か挙党一致かは、我々国民には全く関係がなく、民主党が昨年の衆議院議員選挙で掲げた、国民の生活が第一のスローガンを着実に実行していただくことが、今、一番求められていると思います。今や、失われた二十年、景気が一向に上向きにならず、新卒が就職できず、フリーターが増大し、所得の二極化がどんどん進み、自殺者は年間三万人に上っています。親が子を殺し、子が親を殺す。親の葬式を出さず、年金詐欺事件が相次ぐ。家族のきずなが薄れ、崩壊に至っています。若者は夢を持てず、海外を目指す中国や韓国の若者に比べ、自国に引きこもってしまう状況にあります。地方都市は疲弊し、街中はシャッター通りとなってしまっています。  このような状況の中、民主党代表選投票日の菅首相と小沢前幹事長の最後の訴えを聞いた国民が、小沢氏の演説に共鳴したのもうなずけます。小沢氏にこのような閉塞状況を打破してもらいたいと思ったのは、私一人だけではないと思います。今こそ、行動力、強力なリーダーシップでこの国を立て直そうというリーダーが必要なのであります。菅首相には、重い責任を果たしていただきたいと思います。  また、今回の組閣の目玉であります片山総務大臣は、自治官僚から鳥取県知事に転身し、改革派知事として名をはせた人であります。主要閣僚と全国知事会など、地方六団体の代表が話し合う国と地方との協議の場を法制化するための法案には反対を表明しており、「地方六団体は総務省の天下り団体。何ゆえに天下り団体を政府の協議相手として法律に位置づけるのか」と言っていた人でもあります。地方分権を推進する立場にあり、地方を熟知しているとされる片山大臣に注目が集まることは必定です。そこで、民主党代表選の結果についての所感、菅改造内閣に対する評価及び期待することについて、知事にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの野村壽彦議員のご質問にお答えいたします。現下の我が国の社会経済情勢は、長引く景気の低迷、急激に進む少子高齢化や人口減少、巨額の財政赤字の累積など、一刻の猶予も許されない重要課題が山積しております。こうした中、民主党代表選が行われ、結果として菅総理が代表として再任されたところですので、速やかに責任与党としての確固たる体制を築いてほしいと考えております。その上で、菅改造内閣には、疲弊する地域の現状を踏まえ、現下の最重要課題である景気・雇用対策を迅速に実行してもらいたいと思っております。  また、明治以来の中央集権体質から脱却し、この国のあり方を大きく転換する地方分権改革は、我が国の将来にとって極めて重要なテーマであり、今回の片山総務大臣の起用は、改革を推進するという菅総理の決意のあらわれであると受けとめているところであります。  しかし、その具体的な第一歩となる地域主権改革関連法案はさきの通常国会で成立せず、継続審議になっている上、今後の分権改革の取り組み方針となる地域主権戦略大綱も、閣議決定されたものの、各府省との調整にゆだねられている部分も多く、その実現は不透明な状況となっております。菅総理の強力なリーダーシップのもと、改革関連法案の早期成立や地方税財源の充実・強化など、地方分権改革を着実に推進されるよう期待しております。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 再質問を知事にさせていただきます。私は、鳩山さんと菅さんが最初につくった民主党に県議会議員として参画した一人でありますから、その当時のことを思いながら、今回の代表選は大変興味深く見ておりました。そして、政権をとった。政権をとったということは、この代表選で選ばれた人はまた首相になる。まさに国をあずかる、国を運営する、代表選で勝利をした方がそうなるわけでありまして、そういう意味では大変にマスコミも注目し、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌等々も連日のように報道していたわけであります。菅さんには、私は、少しがっかりしたのでありますが、円高がどんどん進んでいるときに、夏休みをとって軽井沢で静養していたり、今回の中国の問題についてもなかなか指導力を発揮しない。そういう意味では、ただ首相になりたかっただけなのかなという感じがしているわけであります。代表選の最中も、口の悪いマスコミは、「空き菅」対「豪腕」対決とか、「金」対「無為無策」対決とか、民主党の最高顧問、渡部恒三さんがラジオのパーソナリティーに、「悪いやつ」と「嫌なやつ」の戦いだと言ったのには笑ってしまいました。どっちが嫌なやつでどっちが悪いやつかはわかりませんが、そういう表現をするくらいの代表選であった。まさに今、日本はどうなってしまうのだろうか。ここはしっかり、菅さんに強いリーダーシップを持って、劣化しつつある日本、劣化しつつある日本人を立て直していただきたいと思うわけであります。  今、地方でいろいろな動きがあります。例えば名古屋市の河村市長は、議会内に基盤をつくって自分の政策を実現させたいために、あのような行動を起こしました。大阪府の橋下知事は、大阪維新の会をつくって、まさにこれも議会の中に自分の支持基盤をつくって自分の政策を実現するために、ああいうような行動を起こしました。いろいろな意味で、地方のリーダーが、自分の政策を実現するがために、手段を選ばないといったらおかしいけれども、鹿児島県の阿久根市長のように専決でやる人もいますが、これは論外にして、そういう動きが今、地方において出てきているわけであります。果たしてこの栃木県、安定基盤の上に乗っている福田知事でありますから、自分の政策、マニフェスト実現に向けてかなりの自信を持っておられると思います。後でいろいろ質問いたしますが、そういう中で、知事の栃木県のトップリーダーとしての気構え、また、リーダーとはどうあるべきなのか、それをまず一点お伺いしたいと思います。  二点目は、先ほど片山総務大臣について若干触れましたが、この方は、地域主権戦略大綱を住民不在の中身だと、八月に言ったり、地方財政については、新聞に取り上げられましたが、地方債発行に国が関与するのは屈辱的だと、四月の参議院総務委員会で言っておりますが、最近もそれを言い出しています。そして、中央省庁については、政治家が責任をとり、幹部職員の人事もやるようになれば事務次官は要らないと、去年の九月の新聞の取材に答えております。このように結構奔放な発言をしてきた方が総務大臣になったわけであります。先ほど知事は、大変期待をしていると言っておりましたが、地方分権推進委員会が、自治行政権、自治立法権、自治財政権を十分に具備する完全自治体を目指すとして四次にわたって勧告を出しておりますが、これは本当に実現するのだろうかと私は危惧いたしているわけであります。そういう意味で、二点、知事に再質問させていただきます。 ○神谷幸伸 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 それでは、二点についてお答えいたします。まずは、リーダーとはどうあるべきかというお話でございました。知事としてどうあるべきかと置きかえますが、安全・安心な社会を築いていくことが今最も課せられている責務だと思います。それは何だということになりますが、安心して住めるということ、安心して働けるということ、安心して子育てができるということ、安心して学べるということ、このように県民の皆さんにとらえてもらえるような環境づくりを、知事としてその先頭に立ち、県がその役割を果たしていくことが最も重要だと思っています。私は、名人ほど音を立てずにいい仕事をする。むやみな音は立てない、いつの間にか仕事が終わっている、これが本来の姿であろうと思っておりますので、名人には届きませんが、少しでもその近くに行けるよう努力していきたいと思っています。  片山総務大臣は、知事として全国知事会の中で一緒に仕事をすることがありました。二期で知事をおやめになって、大学院の教授として、国のさまざまな機関の審議会などの委員もおやりになりました。歯にきぬ着せぬ方でございますので、そのときどきの話しぶりや意見は興味を引くものが多く、マスコミ等でも取り上げられたわけです。大学の教授ですから、今までは言いたいことが言えたと思います。しかし、今度は実行する側に回ったわけですので、真価を問われることになります。今までご自身が発してこられたさまざまな問題について、地方にとって真に必要なものについては、大臣の立場で具現化していく番だと思っておりますので、その意味で期待していきたいと思います。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 新聞を見ておりましたら、東京にある民間のシンクタンクのブランド総合研究所が地域ブランド調査2010を発表いたしました。四十七都道府県中、栃木県がどういうランクにあるのか。まず、魅力度ランキングは、前年から五位落ちて四十位から四十五位にダウンしました。情報接触度ランキングが二十六位。観光意欲度、居住意欲度が四十三位。魅力度については北関東は軒並み悪くて、群馬県が四十一位、茨城県が四十七位で最下位であります。北関東は、どうして魅力がないのかなと少し残念な気持ちでいます。この会社の分析によると、「U字工事」の活躍などがあって栃木の話題に触れる機会はあっても、行ってみたいとか住んでみたいと思う人は少ないという結果なのだろうということです。  栃木県はすばらしい福田知事をいただいて、ずっと行政をやってまいっておりますし、私は、何といっても知事は人材・資源だと思っております。千葉県では、例えば振り込め詐欺の被害防止のポスターに森田健作知事を前面に出してやっているのです。ですから、福田知事を前面に出しながら栃木県を売り込んでいく。副知事、部長もみなでそういうことを考えなければいけません、特に副知事の二人は。そういう意味で、栃木県のトップリーダーとして活躍し、また行動力・指導力を発揮していただきたいと思います。  次に、九月補正予算案と国の経済対策への対応についてお伺いいたします。今議会に上程されている総額三十四億七千六百七十六万円の補正予算は、とちぎ未来開拓プログラムに基づき財政健全化に取り組んでいることを踏まえ、安全・安心な地域社会づくりや活力あふれる産業の振興など、県民生活にかかわる緊要な課題に限定的に対処するものであるとのことであります。確かに、限定的に対処したことや災害復旧事業費の計上がなかったことなどから、九月補正予算としては一昨年の二十五億円に次ぐ小規模なものとなりました。私ども無所属県民クラブも、九月補正予算等に関する要望書を提出し、八項目にわたって要望させていただきました。特に県内経済の活性化に向けた中小企業の振興と雇用確保対策については待ったなしの状況です。また、県民から要望の強い児童生徒の通学路の歩道整備や事故が多発する危険交差点等の改良なども進めなければなりません。私としては、今回の補正予算案は、限られた財源を効率的に配分して、必要な事業については積極的に実施しようとするものであり、評価をするものでありますが、今回の補正予算案の編成は、財政健全化への取り組みを進める中、山積する県政課題への対応も求められる状況で、難しい作業であったと考えます。そこで、まず、今回の補正予算案の編成に当たっての考え方について、知事にお伺いいたします。  また、政府は九月十日、急激な円高や株安などに伴う景気悪化を避けるための経済対策を閣議決定しました。当初予算の予備費を活用したステップ1では、二十万人程度の雇用創出を見込んでおり、事業規模は九兆八千億円になります。昨日、岩崎議員の質問に、国からの内示、道路・河川等二十三億、雇用関係十七億という答弁が副知事からあったところであります。さらに、ステップ2として、景気下支えのために補正予算を編成し、切れ目なく対策を打ち続けるとのことであり、報道によれば、十月一日に召集される臨時国会において、国が補正予算案を提出する可能性もあるとのことであります。  この経済対策においても、これまでと同様、当然、地方が関与する対策もあるでしょうし、その財源措置がなされると考えられます。県内経済の活性化と雇用確保は、先ほど申し上げたとおり待ったなしの状況でありますことから、県におきましても、ステップ1における国の予備費への対応はもとより、ステップ2での国の補正予算やステップ3の来年度当初予算への対応を含め、この経済対策に積極的に対応すべきであると考えますが、あわせて知事のお考えを伺いたいと思います。 ○神谷幸伸 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。今回の補正予算につきましては、とちぎ未来開拓プログラムに基づき財政健全化に取り組んでいることを踏まえ、当面する緊要な課題に限定的に対処することとして編成したところであります。  まず、通学路の歩道整備や危険交差点の改良等、交通事故死亡対策などに緊急かつ優先的に取り組む県単土木事業費を追加計上するほか、医師確保対策の充実など、県民生活の安全・安心の確保を図ることといたしました。  また、森林の公益的機能の維持増進に向けた間伐等の充実やとちぎ材の家づくり支援事業の拡充など、環境保全対策の推進を図るほか、フードバレーとちぎ農商工ファンドの創設や食品産業の産学官連携等による新事業展開への支援、市町村との協働のもと、アンテナショップの設置に向けた取り組みなどを行うことといたしました。今後とも、事業の選択と集中により県民ニーズに的確に対応し、県民満足度の高い県政の実現を図ってまいりたいと思います。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) ぜひステップ2、ステップ3に対しても積極的な対応をしていただきたいと思います。  そこで、経済対策、景気対策ですが、社会資本の整備については、昨日もきょうも質問がありました。これは大変必要なことだと思っております。危険箇所の改善は早急にやらなければいけない。八月に、県土整備委員会の金子委員長のもと、安足土木事務所管内の現地調査に、私も地元議員の一人として出席し管内を回ってまいりました。佐野市に行きましたら、小学校の周辺に歩道がなく、まして道路が狭隘で、朝の通勤通学のときによく事故が起きていないなというところがありまして、ここは優先的にやるべきだと感じたわけであります。歩道の整備や交差点の改良は前倒しでどんどん進めるべきだ。同時に、県立学校の耐震化工事も、昨年は補正を組んで前倒しでやっていますが、これもすぐに進めるべきだと思っております。  そこで、県土整備部長にお伺いしますが、私は、市議会議員のときから、都市の再投資が必要だと思っています。中心市街地は、下水道も県道の歩道も大分完備されていますが、そこにもう一段投資をしていただきたい。それは、電線類の地中化と歩道における透水性舗装です。これはゲリラ豪雨などに大変効果があると言われております。今、県内の現状はどうなっているのかお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 池田猛県土整備部長。 ◎池田猛 県土整備部長 ただいまの再質問にお答えいたします。電線の地中化を含めました市街地の幹線道路の無電柱化は、市街地を中心にいたしまして平成二十一年度までで約六十キロメートルが整備されております。平成二十二年度末の無電柱化率の目標値は、とちぎ元気プランで一四・二%にしておりまして、平成二十一年度末での実績は、一三・一%になっておりますので、達成率は九二%でございます。それから、一番新しいデータですが、平成十八年度末の全国平均一一・八%に対しまして、本県実績は一一・五%と若干下回っておりますが、おおむね全国並みと言えるかと思います。  また、今、議員からお話がありました透水性舗装については、平成十八年二月に栃木県におきまして歩道整備マニュアルを作成いたしまして、原則的に市街地におきましては透水性舗装を使うことにいたしました。これまで市街地を中心に透水性舗装は約二十キロメートルできております。今後とも、歩行者の安全・安心あるいは快適な歩行空間の確保といった観点から、沿道の建物や市街地の状況に応じまして、無電柱化や透水性舗装の整備を推進してまいりたいと考えております。 ○神谷幸伸 副議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 国の経済対策につきまして答弁が漏れましたので、ここで申し上げたいと存じます。  先般、国において決定されました新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策におきましては、円高・デフレ状況に対する緊急的な対応をステップ1として、雇用等の基盤づくりや耐震化・ゲリラ豪雨対策等に取り組むこととされております。地域経済の活性化は本県にとって現下の最重要課題でありますことから、これに呼応すべく、現在、情報収集に努めているところであり、本県への配分額等が判明し次第、地方負担に対する国の財政措置も踏まえ、補正予算案を編成し、本定例会中に提出したいと考えております。  また、今回の国の経済対策は、当面の対応に限らず、平成二十三年度までの時間軸を考慮した三段構えの対応を念頭に置いており、ステップ2として今後の経済・雇用動向を踏まえた補正予算の編成等、さらに、ステップ3として来年度当初予算において新成長戦略の本格実施を行うこととされております。県といたしましては、国の動向を注視しながら的確に対応してまいりたいと考えております。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 県土整備部長、これは景気対策、経済対策にもなりますので、ぜひ推し進めていただきたいと思います。  次に、社会的弱者対策について三点お伺いいたします。まず一点目として、児童虐待対策についてお伺いいたします。この問題につきましては、私は、まだ児童虐待という言葉が一般に認知されていないころから既に強い関心を持って取り組んできており、平成五年の本会議の場で初めて質問して以来、たびたびお伺いしてまいりました。ここ数年、県内の市町と児童相談所に寄せられた虐待に関する相談件数は千件前後で、高どまりの状態にあります。また、全国では、とうとい子供の命が奪われる重大な事件が後を絶たず、母親が子供たちを放置したまま家に戻らず、幼児二人が遺体で発見されるといった、これまでの常識では考えられない事件も発生しています。虐待を受けながら、抵抗することも救いを求めることもできないまま息絶えていった子供たちの声なき訴えを、私たちは重く受けとめなければなりません。  国においては、平成十六年の児童虐待防止法の改正で、児童虐待の通告義務の対象が拡大され、さらに、平成十九年の改正では、出頭要求及び立入調査等必要な措置を講ずることが認められました。相談件数の増加は、このような取り組みが進み、社会的にも関心が高まってきたことから、これまで潜在的にはあったものが顕在化したということもあるとは思いますが、いずれにしても深刻な数字です。  また、児童虐待が起きる要因としては、子育てによるストレスという精神的なものや不況による失業などの経済的なもののほか、核家族化や地域の人間関係の希薄化などにより、周囲が虐待に気づかない、関心を持たないといったこともあると思います。児童虐待は、まさに現代社会が抱えるさまざまな問題を如実にあらわしていると言えます。  県は、これまでも児童虐待の問題に対してさまざまな取り組みを行ってきましたが、私は、この問題に最も必要なのは、地域で見守る力であると考えております。昨日の岩崎議員の質問の高齢者対策のときにも出てきた言葉ですが、地域力であります。私は、平成二十年二月議会において児童虐待の問題について質問した際、子供を守る地域ネットワークの機能を果たす要保護児童対策地域協議会とぜひとも連携を図っていただきたいと要望いたしました。あれから二年半が経過いたしました。確かに、すべての市町に要保護児童対策地域協議会が設置され、代表者会議等が開催されるようになりましたが、その開催頻度や内容にはばらつきがあるやに聞いております。そこで、県はこうした状況を踏まえ、要保護児童対策地域協議会の活性化にどう取り組み、子育て家庭について地域で見守る力を強化していくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 北澤潤保健福祉部長。    (北澤 潤保健福祉部長登壇) ◎北澤潤 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。児童虐待を早期に発見し、迅速かつ適切に対応するためには、要保護児童対策地域協議会の役割が特に重要であり、市町村が中心となって、地域の教育や福祉、保健医療関係機関、警察署等が積極的に情報交換や支援の協議を行う必要があります。県では、児童相談所職員の参加や助言に努めてまいりましたが、今年度は、特に先駆的な活動事例や相談援助のノウハウ等を紹介する研修会の開催などを通じて、協議会の一層の機能強化や活性化が図られるよう支援してまいります。また、十一月の児童虐待防止推進月間には、県民のつどいなどの啓発活動を展開することとしており、今後とも、さまざまな機会を通して県民一人一人の児童虐待防止に向けた意識の高揚を図ってまいる考えであります。さらに、協議会等を十分活用して関係者間の連携を一層強化することにより、地域での見守りの力を高めながら、効果的な児童虐待防止に取り組んでまいります。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 厚生労働省が二〇〇八年度の虐待死亡六十四事例を分析したところ、死亡前に要保護児童対策地域協議会が関与していたのは二件のみです。この協議会が余り機能していないという感じがするのであります。そこで、児童相談所の役割が大変重要になってくるわけでありますし、児童相談所の皆さんは本当に一生懸命にやっているなという気がいたします。  要望いたします。今、法律で、児童相談所の役割として、介入的機能とケースワーク機能の両方が位置づけられています。これは、例えば親子の分離、強制的に入っていって、子供を引き離して連れてきて保護するという社会的介入機能と、連れてきた子供と親とのきずなを再び結ばせる援助機能という互いに矛盾する役割が今、児童相談所に課せられているわけであります。これは大変です。ただ、片方の部分を警察にすべてお任せしていいのかということはあるわけで、そのあたりが大変難しいわけであります。ここはいろいろな智恵を出して粘り強く――児童相談所は児童福祉司やいろいろな専門家の養成もし、配置もして、機能充実を図ってきたという答弁がきのうありましたから、それ以上は言いませんが、例えば大阪市では緊急性のある虐待情報に対しては消防職員を派遣したり、そのほか小中学校へは、社会福祉士の資格を持つスクールソーシャルワーカーを配置したり、これは今いろいろ批判があるところですが、加害者更生プログラムをつくったり、いろいろな形でこれから児童虐待に関しては取り組んでいかなければならない問題があると考えているわけです。どうかぜひ頑張っていただきたい。  最後に、アメリカの小児科医で虐待対応の礎をつくったケンプという人は、「虐待であるにもかかわらず、判断を誤って保護せず生命を落としてしまった子供に謝罪するくらいなら、虐待ではないのに、間違って子供を保護したときに親に謝罪するほうがまだいい」ということを言っています。人権の問題とかいろいろあるので、なかなかこういっても難しいのでありますが、こういう言葉を贈ります。  また、教育長にも要望いたします。中学校や高校生のときに、虐待とは何か、どうしていけないのか、なぜ起きるのか、こういう授業をぜひしていただきたいと考えていますので、よろしくお願いしたいと思います。  次に、社会的弱者対策の二点目として、若年性認知症への対応についてお伺いいたします。高齢化の進展に伴い、認知症が社会問題になっています。認知症というと、六十五歳以上の、いわゆる高齢者の病気と思いがちですが、最近、六十五歳未満で発症する若年性認知症も問題となってきています。  数年前、「明日の記憶」という映画がありました。仕事では大きなプロジェクトに取り組み、プライベートでも一人娘の結婚が決まるなど、幸せな生活を送っていた四十九歳の男性が、突然、重要なミーティングを忘れたり、部下の顔が思い出せなくなったりする。妻に促され、病院に行ったところ、若年性アルツハイマーの診断を受ける。会社をやめた夫にかわり、家計を支えるため妻が働き始める。夫の症状は悪化し、ついには妻の名前さえ思い出せなくなってしまうが、妻は夫を支え続けるという非常に悲しい映画でした。しかし、これはだれに起こるかはわかりません。決して他人ごとではないと思います。  厚生労働省が平成十八年度から平成二十年度までの三年間で調査した結果によると、人口十万人当たりの若年性認知症者数は四十七・六人であり、全国では三万七千八百人と推計されています。また、平均発症年齢は五十一・三歳と推計されています。若年性認知症は働き盛りで発症するため、家計を担っていた人が発症した場合、家族には大きな経済的負担が生じることになります。また、若くして発症することもあることから、例えば若くて体の大きな男性の場合、介護する家族や入院先の看護師には、同じ認知症でも、高齢者の場合よりも体力的な負担がかかります。このような課題があるにもかかわらず、認知症は高齢者がかかるものというイメージから、病院に行くことをためらったり、周囲の人に気軽に相談できないことも考えられます。  栃木県高齢者支援計画はつらつプラン二十一(四期計画)の中にも若年性認知症対策が盛り込まれており、その重要性について県が認識していることは承知しておりますが、実態が明らかになっていないなど、行政としての取り組みはまだこれからであると思います。そこで、今後、若年性認知症にどのように対応していくのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 北澤潤保健福祉部長。    (北澤 潤保健福祉部長登壇) ◎北澤潤 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、認知症対策として、認知症疾患医療センター等の専門相談窓口の設置や認知症サポート医の養成、さらには、孤立しがちな介護家族を支援するための交流会の開催など、総合的な対策を推進してきたところであります。特に若年性認知症につきましては、専門相談窓口の周知を図りますとともに、今年度からは、内科医等のかかりつけ医に対する研修や認知症サポーター養成講座で取り上げるなど、若年性認知症への正しい理解の促進に努めております。さらに、現在、若年性認知症対策を一層進めるため実態調査を実施しておりまして、今後、調査結果がまとまり次第、医師や福祉関係者等で組織する認知症対策推進会議におきまして、調査結果の分析と実態に応じた適切な支援策を検討してまいる考えであります。今後とも、若年性認知症患者や家族に対し適切な支援が行われるよう努めてまいります。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 国の予算がつかなくて、県で独自に職員がやっているという話でもありますから、ぜひ早急にそれをまとめていただいて、認知症対策推進会議の場で十分議論して早く対応を練っていただきたいと思います。  次に、社会的弱者対策の三点目として、性犯罪被害者に対する支援についてお伺いいたします。栃木県内における犯罪の認知件数は、平成十五年に四万件を超えましたが、警察の各種施策や自主防犯ボランティアを初めとした県民の皆様の取り組みなどにより、この年をピークに減少傾向に転じました。昨年は、ピーク時の六四%である約二万六千件まで減少しました。平成二十二年も犯罪件数は減少しており、八月末現在の発生は約一万五千五百件と、前年同期より一〇・六%も減少しているところです。しかしながら、女性に対する強姦や強制わいせつ等の性犯罪は本年に入り九十六件発生し、昨年の同時期より三十一件、率にして四七%もふえていると聞いております。  性犯罪は、女性の尊厳を踏みにじり、その心に深い傷を残すばかりか、とりわけ強姦においては、魂の殺人と呼ばれるほど女性に深刻な精神的ダメージを与えるものであり、この性犯罪事件の増加を危惧しているところであります。性犯罪に遭われた被害者は、事件によってこうむった直接的被害や精神的ショックにより心と体に変調を来し、特に精神的なショック症状が長期にわたるとPTSDなど、重篤な精神疾患を引き起こすおそれもあります。さらに、身体に受けた被害に対しては医療機関での診察・診療が必要となり、何の落ち度もない被害者には、治療費支払いなどの経済的負担まで生じている現状であります。  このような状況の中で、性犯罪被害の支援については、二次的被害に配慮しながら進めていかなくてはなりません。特に事件を担当する警察においては、性犯罪被害者が捜査の過程で受ける精神的被害を少しでも緩和するための対応にも取り組む必要があると考えております。また、性犯罪に遭われた被害者の方は、羞恥心や精神的ショックから被害申告をちゅうちょすることも多いと聞いております。こうした事件の潜在化が同様の性犯罪被害を拡大させる要因ともなりかねません。  冒頭申し上げたとおり、強姦や強制わいせつなどの性犯罪は、被害者の心身に重大な影響を与えるばかりか、その人の人生をも狂わせる犯罪であります。そこで、被害に遭われた方に対してどのような支援を行っているのか、その現状と今後の取り組みについて、警察本部長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 石川正一郎警察本部長。    (石川正一郎警察本部長登壇) ◎石川正一郎 警察本部長 ただいまのご質問にお答えいたします。強姦、強制わいせつ等の性犯罪は、被害者の尊厳を踏みにじり、身体のみならず精神的にも苦痛を強いる卑劣な犯罪であります。県警察では、性犯罪の被害者が平穏な生活を取り戻せるよう、途切れることのない支援の取り組みに努めております。具体的には、性犯罪被害者の精神的負担を軽減するため、研修を受けた約百四十人の女性警察官を性犯罪捜査員に指定し、事情聴取や病院付き添いなどを担当させているほか、特に精神的被害が深刻な被害者には、栃木県臨床心理士会と協力して公費支出によるカウンセリングを行っております。栃木県医師会や産婦人科医院等に対しては、被害者の精神的負担に配慮した診察を行うよう要請するとともに、被害未申告の被害者に警察への届け出を促すよう依頼するなど、被害者の心情に配慮した支援と潜在化の防止を図っています。  また、被害者の経済的負担を軽減するため、被害者が診察に要した初診料等の公費支出を初め、自宅が被害場所となった場合には、公費支出により、一次避難としてホテルに宿泊させる制度の運用や県の公営住宅提供制度の紹介などに取り組んでおります。県警察では、今後より早期に被害者の精神的苦痛軽減を図る体制を構築するため、臨床心理士の資格を有する職員の警察本部への配置に取り組むなど、県や関係機関と連携の上、支援の充実に努めてまいります。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) まさに臨床心理士を採用するということでありますから、これは大きな前進だと思います。財政当局には、その予算を認めることをお願いしたいと思います。  次に、学卒未就職者の就職支援対策についてお伺いいたします。本年三月に本県の高校、大学を卒業した新規学卒者の就職内定率は、高卒九八・〇%、大卒八五・七%となり、大卒就職内定率は過去十年間で最低の水準となっております。就職を希望したが職につけない学卒未就職者数は大卒三百七十三人、短大卒百三十三人、高卒六十人、合わせて五百六十六人に上っております。  雇用対策は第一義的に国の役割であることは承知しておりますが、県においても、緊急雇用創出事業臨時特例基金を積極的に活用し、学卒未就職者を支援していくべきであると考えます。そこで、県では、基金の活用を含めどのように学卒未就職者対策を実施していくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。  また、国においても、いわゆるトライアル雇用など学卒未就職者の就職支援対策の充実を図っていることから、これら国の施策とどのように連携を図っていくのかもあわせてお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 大森敏秋産業労働観光部長。    (大森敏秋産業労働観光部長登壇) ◎大森敏秋 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。学卒未就職者等の雇用対策につきましては、二つの基金の活用により、今年度は八月末までに百四十六名を雇用いたしました。また、現在、主に学卒未就職者向けに新社会人ジョブトレーニング事業として百八十名の求人を行っているところでございます。さらに、学卒未就職者が就職活動を円滑に行えるよう、求職者総合支援センターの特別相談窓口にキャリアカウンセラーを増員するとともに、ビジネスマナーなどを短期間で習得できる就活事始講座を開催しております。今後は、学卒未就職者の厳しい雇用状況を踏まえ、さらに基金を活用いたしまして、受け入れ企業の業種の拡大、雇用対象学卒未就職者に特化した地域人材育成事業を時期を失することなく展開してまいりたいと考えおります。  次に、国の新卒者雇用に関する緊急対策に盛り込まれましたトライアル雇用奨励金制度でございますが、栃木労働局と連携し、制度の周知や積極的な利用促進を図ってまいります。また、重点分野雇用創造事業に係る基金の積み増しにつきましても、適切に対応してまいりたいと考えております。今後とも、学卒未就職者の就職支援について、関係各機関との連携を一層強化して取り組んでまいります。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 新卒で就職できない、また、卒業した後も二年、三年と就職できない、学卒未就職者にはこの二つの問題があるわけでありますから、ぜひ県としても十分な取り組みをしていただきたいし、トライアル雇用については、結構知らない企業が多いわけでありますから、県は、こういう国の制度を宣伝していただきたいと要望いたします。  次に、教育問題の一点目として、県立高校再編計画について教育長にお伺いいたします。平成十七年度から始まった県立高校再編計画は順調に進んでおります。今年度から始まった後期実行計画もおおむね順調に滑り出したと考えておりますが、残された課題が二点あります。一つは、県央以北へのフレックス・ハイスクールの設置であり、もう一つは男女別学校の共学化であります。後期実行計画では、フレックス・ハイスクールを県央以北にも設置するとしているが、いまだ具体的な案が示されておりません。そこで、フレックス・ハイスクールの県央以北への設置の考え方について、教育長にお伺いいたします。  また、来年四月をもって再編計画で予定していた八校の共学化はすべて完了しますが、県内にはまだ別学校が十一校残ります。共学化は時代の流れでありますが、一方では、別学校の存続を強く望む県民世論があることも事実であります。そこで、今後の男女共学化の推進についてどう考えるのか、あわせて教育長の考えをお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 須藤稔教育長。    (須藤 稔教育長登壇) ◎須藤稔 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。高校再編計画において県央以北へ設置が計画されておりますフレックス・ハイスクールの検討に当たりましては、現在、学悠館高校における開校後五年間の成果や課題の検証を行っておりまして、それらを踏まえることが必要と考えております。このため教育委員会内に検討会を設置いたしまして、計画上の基本的考え方や本県定時制・通信制高校の現状、生徒のニーズ、近年の財政状況等も考慮し、慎重に検討を行っているところでございます。  次に、男女共学化の推進につきましては、来年度において再編計画による共学化が完了いたしますことから、まずは、これら共学化した高校の円滑な運営に万全を期してまいりたいと考えております。将来の本県の望ましい共学化のあり方につきましては、県民各層や有識者からの意見を幅広く聴取し、再編計画全体の成果と課題なども検討した上で、長期的な視点に立って検討すべきものと考えております。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 今の答弁は、平成二十六年までは両方ともやらないと聞こえたのでありますが、フレックス・ハイスクールについては、平成二十六年までに場所を検討するのか。栃木市の学悠館高校が非常に成果をおさめているし、交通の便もいいところにあるので、ここの定員をふやすことにすれば、栃木県は一カ所でいいという方向も一つあると思います。もしくは、どうしてもやるならば、この後の質問にも関係するのでありますが、統廃合した学校を利用して設置をすることも考えられます。宇都宮工業高校は今度移転しますし、そういうことも含めて、平成二十六年までにその方向性だけでも決める見通しがあるのか。
     また、男女共学化については、私は、もう放棄してもいいのではないかと考えているわけであります。資料をいただきましたが、栃木県、群馬県、埼玉県はとにかく別学校が多いわけで、ほかはほとんどないのです。来年度の別学校十一校を、他県にあわせて少なくしようと努力しているのでしょうが、なかなか難しいと思います。私は、男女共学校もあり、男女別学校もある、そういう選択肢があってもいいと考えている一人であります。このパンフレットを見ますと、那須学区に大田原高校と大田原女子高校、芳賀学区に真岡高校と真岡女子高校、安足学区に足利高校と足利女子高校、下都賀学区に栃木高校と栃木女子高校――上都賀学区だけはすべて男女共学になっていますし、宇都宮学区も、宇都宮高校と宇都宮女子高校、宇都宮中央女子高校とありますが、宇都宮学区は特例として除外すれば、それぞれの学区に一つずつ女子高と男子高が残ったわけですから、逆にこういう選択肢があってもいいのではないかと私は考えております。烏山高校と烏山女子高校のように、クラスがどんどん減っていって統合されるというのならわかるのですが、そうではない限り、当面この体制でいったほうがいいのではないかと思っているのですが、再質問させていただきます。 ○神谷幸伸 副議長 須藤稔教育長。 ◎須藤稔 教育長 ただいまの再質問にお答え申し上げます。まず、フレックス・ハイスクールについてでございますが、先ほど答弁申し上げましたように、さまざまな状況で現在検討を進めているところでございまして、現時点でその方向性について結論云々という状況には至っておりません。  また、男女共学化につきましては、烏山高校は一校に合わさったわけですので、高校再編の全体計画の中で八校で共学化が実施され七校になり、ご指摘のように男子高五校、女子高六校の十一校が別学校で残るわけですが、男女別学、男女共学というのはそれぞれの地域の長い伝統の上に立つものだと理解しております。現在の再編計画においては、先ほど答弁でも申し上げましたように、共学化した高校の円滑な運営を図ることにまずもって専念させていただきまして、その後のことにつきましては、改めて検討を進めてまいりたいと思っております。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 県の教育委員会は、この再編計画を大変立派にスムーズに進めてまいりました。矢板東高校の中高一貫教育では、県議会でも随分いろいろな議論がありました。しかし、教育委員会は本当によくやってきたなと私は心から思っています。教育長も男子高ですよね。男子高のすばらしさは十分味わっていると思うのですが、ぜひそういうことも忘れずに、一回これを棚上げするということを要望させていただいて、最後の質問に入りたいと思います。  次に、教育問題の二点目として、高等特別支援学校の設置について伺います。現在、各特別支援学校高等部においても、就業体験を行うなど、就労支援に取り組んでおり、一定の成果を上げておりますが、カリキュラムの関係で実習の授業時数が十分に確保できないことや就職に役立つような資格が取得できないことなど、不十分な点もあります。高等特別支援学校は、知的障害が軽度な生徒を対象として、企業実習等に重点を置き、実践的な職業教育を行う高等部単独の学校であると聞いております。本県にも高等特別支援学校が設置されれば、就労に対する意欲と能力のある子供たちに対して、職業に直結する専門的な教育が可能となります。障害のある子供たちの職業的な自立支援を強化するため、本県でも高等特別支援学校を早急に設置する必要があると考えますが、県の取り組みと今後の対応について、教育長にお伺いいたします。 ○神谷幸伸 副議長 須藤稔教育長。    (須藤 稔教育長登壇) ◎須藤稔 教育長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。障害が軽度な生徒一人一人の能力や特性に応じた職業的な自立支援を充実するためには、職業教育を中心とした高等特別支援学校における実践的な教育が有効であると考えております。そこで、教育委員会といたしましては、平成二十年度に県立特別支援学校の全体整備について検討いたしまして、さらに、平成二十一年度からは、他県の高等特別支援学校の設置状況なども参考に、通学の利便性や実習企業の確保、産業構造の変化への対応などの幅広い観点を踏まえ、庁内関係課も含め、候補地、規模、教育内容などについて検討しておりまして、今後とも、設置に向け鋭意努力してまいる所存でございます。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) この問題は、きのうの五十嵐議員の質問の中で、知事から、とちぎ未来開拓プログラム期間中で先送りという話が出てしまったので、質問するのも何なのですが、本当にそうなのか。まだ模索するのか、結論が出てしまったのか、知事に再質問させていただきたいと思います。 ○神谷幸伸 副議長 福田富一知事。 ◎福田富一 知事 高等特別支援学校の設置については、私の公約の中にも掲げたものでございます。が、未来開拓プログラムの中では、新規事業については当面見合わせていくということで話を進めておりますが、この問題につきましては、今、教育長から話がありましたように、平成二十一年度から、他県の高等特別支援学校の状況なども参考にして、関係各課が意見集約を図っているところでありますので、なるべく早く結論を出して、高等特別支援学校の中で教育ができる環境を整備してあげたいと思っています。 ○神谷幸伸 副議長 野村壽彦議員。    (四十一番 野村壽彦議員登壇) ◆四十一番(野村壽彦議員) 幾らか望みが出てきました。これはぜひ早急に取り組むべき課題だと思っております。過去何人かの議員の方が質問いたしておりますし、早川議員などは非常にいい提案をしておるわけであります。宇都宮市にお願いする部分とか、小中学校や高校の空き教室を利用したり、統廃合後の高校を利用するとか、何とかお金をかけなくてもできる方法があるのではないか。やはりこれはやろうという意志の問題であります。今、どういう状況にあるのかを教育委員会はきっちり把握していただきたいと思います。なおかつ、今ある特別支援学校は、小学部、中学部、高等部、鹿沼分校が先日できましたが、これももう一回見直しをかける。高校再編計画ではありませんが、特別支援学校についても、もう一度見直しをかけて再編計画を練るような形にしていただきたいと思います。これはまさに喫緊の課題であり、教育長は子供を育てる、人材を育てることに熱意を持ってこれまでずっと生きてこられた人ですから、ぜひこの高等特別支援学校については、いろいろな智恵をみなで出し合って、お金をかけずにできる方策を考え、早く設置するという方向でお願いしたいと思います。  二百万県民が本当に住んでいてよかったという栃木県になるために、私ども県議会議員も努力いたしますし、中央は自由民主党が政権をとろうが民主党が政権をとろうがどちらがとっても関係なく、地方は地方で我々がしっかり行政、議会運営をする中で、県民のために頑張っていきたいと考えているわけであります。以上で私のすべての質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○神谷幸伸 副議長 この際、十五分間休憩いたします。議事はただいまの継続議事であります。  休憩いたします。  午後二時十五分 休憩             ――――――――――――――――――――――――――――― ◎高野純一 事務局長 出席議員数を報告いたします。  ただいまの出席議員数は四十六名であります。             ―――――――――――――――――――――――――――――  午後二時三十分 開議 ○野田尚吾 議長 ただいまから会議を開きます。議事は休憩前の継続議事であります。発言通告者に対し、発言を許します。若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 機会をいただきましたので、今回、私は、次の時代の栃木県の形、あるいは目指すべき姿といったことをテーマといたしまして質問をいたします。  まず最初に、地域主権改革について伺います。昨年の十一月には地域主権戦略会議が設置され、ことしの六月には地域主権戦略大綱が閣議決定を見ております。この大綱は、明治以来の中央集権的国家構造を根底から改めるとしまして、地域のことは地域が決める。決めたことは実行する。その結果に対しても地域が責任を負う。そうした自立的な社会をつくるという意気込みで、新しい国づくりのための戦略を示したということです。  この大綱、次の五点が重要だと思います。すなわち、一、義務づけ・枠づけの見直しと条例制定権の拡大、二、基礎自治体への権限移譲、三、国の出先機関の原則廃止、四、ひもつき補助金の一括交付金化、五、地方財源の充実確保の五つであります。六月に決めたこの戦略大綱を具体化するために、各省庁は出先機関の廃止の方向に照らして、みずからが所管する出先機関の事務や権限仕分け、いわゆる自己仕分けを行い、八月末までに方向性を出してきました。しかし、出された自己仕分けの結果は、そのほとんどが現在の出先機関での国の事務を適当とする見解でありました。  農林水産省は、戸別所得補償や六次産業化、食の安心・安全などを掲げまして、国が政策を興し、地方農政局がその執行面で中心的な役割を担うと言い、経済産業省は、地域の実情に応じた施策の展開や地域の事業者の利便性から、地域の現場に近い出先機関は必要といったぐあいであります。こうした省庁の自己仕分けの結果は、予想されたこととはいえ、残念と言うほかありません。  また、戦略大綱では、ひもつき補助金の一括交付金化をうたいまして、国から地方へのひもつき補助金を廃止して、基本的に地方が自由に使える一括交付金にするという方針のもと、現在の補助金・交付金等の改革を、平成二十三年度から段階的に実施するとしています。この一括交付金については、多くの自治体から警戒の声が出ています。私たちは、かつての地方交付税改革で、苦い思いをした経緯があります。自由度の拡大という名のもとで、実質的に交付金が減るということでは、何もならないわけであります。  既に示されている義務づけや枠づけの見直しの具体化策の乏しさにあわせまして、こうした政府内の対応状況を知事はどのように考えるか、また、地方分権改革にかける県民の思いをどのように実現しようとするのか、福田知事に考えをお伺いします。 ○野田尚吾 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまの若林議員のご質問にお答えいたします。菅内閣は六月に地域主権戦略大綱を閣議決定し、前内閣に引き続き地方分権改革を推進する決意を示しました。また、菅総理は改造内閣発足後の記者会見においても、早急に取り組むべき三つの課題の一つに地域主権改革を掲げたところであります。  しかし、大綱で具体的措置が示された義務づけ・枠づけ見直しや基礎自治体への権限移譲につきましては、関係府省の抵抗もあり、地方分権改革推進委員会の勧告の完全実施には至らない状況となっております。加えて、ひもつき補助金の一括交付金化や国の出先機関の見直しなどにつきましても、基本的な考え方や今後の取り組み方針が示されましたが、議員ご指摘のとおり、大綱の方針にあらがうさまざまな動きが出ており、今後、具体的な見直しが進められる中で、地方分権改革の理念にそぐわない改革となってしまうのではないかと危惧しております。  私は、改革の実現のためには、地方分権改革の理念を府省の垣根を越えて政府全体で共有するとともに、国と地方の役割分担や分権型社会における府省の目的や役割を明確にする必要があると考えております。その上で、有言実行内閣の名に恥じないよう強いリーダーシップを持って、地方とも十分に協議しながら、全力で改革に取り組んでいただきたいと考えております。  また、地方分権改革は、住民に身近な行政は地方自治体が自主的・総合的に担うとともに、地域がみずからの判断と責任で地域の諸課題に取り組むことにより、住民がゆとりと豊かさを実感し、安心して暮らすことのできる社会を実現するために推進するものであると考えております。  本県におきましては、地方分権や地方自治に関する普及啓発を図る地方分権・地方自治フォーラムなどを通じて、地方分権改革の意義の理解促進を図るとともに、政策懇談会のもとに設置した地方分権改革検討委員会を活用して、市町村とも十分協議を進めながら、県民の改革への期待にこたえられるよう、全国知事会等を通じて本県の考え方を国にしっかりと訴えるなどいたしまして、改革の実現に向けて尽力してまいります。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) これまで、福田知事が地方分権改革の推進に向けていろいろとご努力されてきたことについては、私もしっかりと受けとめてまいりたいと思います。出先機関の原則廃止をうたいながらも、その方向を出すのに、各省庁の自己仕分けとした時点で、既に方向性が出ていた。言葉を悪く言えば、勝負はついていたと思うわけであります。みずからのところで改革の意思を示すことにはならない。中央官僚の知恵が、こういうときに働いていると私は思うわけでございます。最終的に一括交付金がどうなるかについては、これからでありまして、今のところわかりません。まずは、だれが、あるいはどの省庁が、この一括交付金を仕切るかという問題が残されているわけでありますし、補助金が地方支配の源とまで言われる中央政府にとって重要なものだと思えば、大変な困難が予測されるわけであります。しかし、平成二十三年度からは、曲がりなりにも多少は実現するだろうと私は思っているわけであります。  そこで、須藤副知事にお伺いします。この一括交付金が実現すれば、今後は、県の裁量で県政の課題に即して思い切った政策展開ができるような環境ができ上がるということだと思います。そうした場合、私は、企画立案部門が財政的な裏づけを持って政策展開ができるようにすべきだと思います。一括交付金による使い道を含む政策展開は、現在のように財政部門中心から、地方分権改革の推進役である企画立案部門、具体的には総合政策部が中心となるようにすべきだと思いますが、お考えを伺います。 ○野田尚吾 議長 須藤揮一郎副知事。 ◎須藤揮一郎 副知事 ただいまの再質問にお答え申し上げます。まず、一括交付金につきまして、現在、一括交付金全体として総額の圧縮をするとか、あるいは事後チェックがあるというような議論がありまして、一括交付金化の具体化の状況をまず見守りたいと思います。仮に、自由度の高い一括交付金が実現した場合には、当然その中である程度裁量を持って政策が展開できることになりますが、この場合にも、最終的な使途の決定は、当然、予算査定等を通じたり、あるいは政策経営基本方針の中で翌年度の重点事業等を決めていきます。そういったことを含めて最終的に知事が判断することになりますので、その事務的なものをどこがやるかは、余り大きな影響はないのではないかと考えております。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 昨日来、総合政策部の役割につきましていろいろと議論なされていること、それから、県議会内におきましても行政機構調査検討会で議論されて、私もその一員に加わっているわけでありますが、この一括交付金の扱いについては、県における企画立案部門のあり方を考える一つの素材になると思い、質問させていただきました。政策経費を持たないところで総合政策部門があるということは、なかなか苦しい局面にあると思っておりまして、そういった意味合いでは、どうしても調整機能ばかりが前面に出がちな総合政策部におきまして、文字どおり総合政策部の役割が、こういったもので一層形づくられると考えますので、そのことについてご検討いただきますようにご要望申し上げておきたいと思います。次の質問に移ります。  次に、多極分散型の社会づくりについて伺います。今日に至る地域づくりのありさまを見ますと、栃木県は人口二百万人、首都圏の周辺地域にありましても、県都や幾つかの都市を中心として一極集中型の地域づくりが進められてきたことは、結果として否定できないと思います。定住人口の偏在もしかり、高校再編や公共施設の統廃合、再配置は、その典型的で具体的な事例であります。  次期総合計画では、栃木の将来像を、だれもが安心して暮らせる、地域が活力にあふれる、住み続けたい、住んでみたい、こういう栃木をつくるための重点戦略を描こうとしています。それは、どこに住んでいようとも、県民が豊かで安心して暮らせる社会をつくっていくことだと理解しているわけです。今日の定住人口の偏在は、過疎と過密という極端な地域社会を生み出しまして、それぞれに課題を抱えてしまっているわけですから、地域社会の均衡のとれた発展こそがこれからの大きな課題になると思っているわけであります。  私は、それぞれの地域がバランスのとれた多極分散型の社会でこそ、子育ても福祉もコミュニティーも含めまして、県民にとって安全・安心な地域社会が実現できるものと考えます。そこで、今、策定中の次期総合計画に多極分散型の地域づくりをしっかりと位置づけて、地域振興策を進めるべきだと考えます。総合政策部長の考えを伺います。 ○野田尚吾 議長 高橋正英総合政策部長。    (高橋正英総合政策部長登壇) ◎高橋正英 総合政策部長 ただいまの質問にお答えいたします。県民がそれぞれの地域で安心して暮らせ、活力あふれる地域づくりを進めるため、次期総合計画の第一次素案の中で、とちぎ地域づくりビジョンとして、個性の発揮と交流・連携を核といたしまして、地域の資源や人材を生かした自主的・主体的な取り組みを促進するなどの基本的な方向性をお示ししているところでございます。  この実現に向けまして、計画に盛り込む具体的な取り組みとして、住民によるコミュニティー再生の取り組みへの支援や、地域における多様な主体との協働による特色ある地域づくりの推進、また、都市と農村などの交流・連携による地域の活性化や、都市地域における暮らしやすく利便性の高いまちづくりの促進などを検討しているところでございます。これらの取り組みの積極的な展開によりまして、個々の地域の活性化を図り、県全体が持続、発展するとちぎづくりを目指してまいりたいと考えております。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 総合計画の素案が既に示され、そういった方向性については、私も理解しているわけであります。平成の大合併で多くの自治体が合併をしました。そのときの関係者の住民その他への説明は、情報通信分野のネットワーク、あるいは道路網の整備が進むことによりまして、同じサービスがどこにいても受けられますよと、サービスの低下はありませんということを大々的にうたわれて、事実そういう方向で理論武装がなされ、説明がなされてきたと思っているわけであります。そういう意味合いにおいては、どこにいようとも私たちの生活が、しっかりとしたものが享受できる環境をつくらなければいけないと思っているわけであります。  どういう地域をつくるかに関連して、土地利用計画について、総合政策部長に伺いたいと思います。現在、栃木県においては、国土利用計画栃木県計画とあわせまして、栃木県土地利用基本計画の素案が示されています。いずれも平成二十三年度からの十年間にわたる県土利用に係る基本的事項を定めているわけであります。しかし、私には、栃木の土地利用をどのような方向に導きたいのかという思いや考え方は伝わってきません。私が主張するような地域分散型の社会をつくりたいのか、そうではなく都市集中型の地域をつくりたいのかさえも、読み取ることができないのであります。何よりも土地利用という政策の根幹において、次期総合計画との整合性が見当たらず、これでは、土地利用計画が何のためにつくられるのか、大きな疑問を持っているわけであります。  そこで、土地利用基本計画を次期総合計画に連動するような計画につくりかえていく必要性について伺うとともに、また、この土地利用基本計画は、土地利用に即しまして都市計画、農業振興計画あるいは森林計画、自然公園計画、自然環境保全計画の上位計画として、名目だけではなくて、実質的な上位計画として位置づけられるということについて確認したいので、伺います。 ○野田尚吾 議長 高橋正英総合政策部長。 ◎高橋正英 総合政策部長 再質問にお答えいたします。二点お尋ねがございますので、あわせて申し上げたいと思います。  まず、順番が逆になりますが、土地利用基本計画はお話がありましたとおり、法体系的には都市計画法など、各個別規制法に基づく諸計画の総合調整機能を持つ性格のものでございます。また、次期総合計画と連動した計画とすべきではないかというご指摘でございますが、現在、進めております土地利用基本計画の計画素案では、その土地利用の基本方向につきましては、現在、並行して作業を進めております国土利用計画栃木県計画における土地利用の基本的な考え方を基本とすると位置づけてございます。  その国土利用計画栃木県計画のほうでございますが、その基本的な考え方におきましては、都市や農山村などの相互の機能分担あるいは交流・連携といった地域間のつながりを双方向的にとらまえるなど、先ほど、答弁で申し上げました次期総合計画案のとちぎ地域づくりビジョンに掲げました考え方と整合を図りながら、といいますのも、改定作業が次期総合計画と国土利用計画栃木県計画は同時でございますので、当然、そこでしっかりと基本的な考え方をつなぎながら策定を進めているということでございます。したがいまして、少し遠回りになりますが、土地利用基本計画におきましても、同様の理念に基づいて策定をしていくことになりますので、ご理解を賜れればと思います。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 私の認識とは随分違いまして、都市計画あるいは農業振興計画といった個別の法体系については、ひとり歩きをしており、県における大事な土地利用との連動性については、今のところしっかりと認めることはできませんし、総合的で一体的な土地政策を展開することは、過去においてはできなかったと思っているわけであります。  卑近な例で総合政策部長に伺います。県では、田舎暮らしのすすめなどと称しまして二地域居住を推進してきましたが、成果が上がっているとは思いません。私は、少しの時間を農山村で過ごすということではなくて、ずっと住むという定住化政策をとるべきだと一貫して提案してまいりました。しかし、改正農地法によって農地の開発が規制される一方で、都市計画サイドからの開発規制、例えば分家住宅等の空き家も利用上の規制は大変厳しいという状況がありまして、前回も質問したところでありますが、希望があっても定住もできず空き家はふえる一方で、農山村の活性化は見通しが立たない状況が続いているわけであります。  そこで、農山村地域に限らず、県土全体の今後の土地利用については、今、私が申し上げたようなことも踏まえて、総合的で一体的な政策を展開する必要があると思います。そうした視点に立って、次の土地利用計画を策定すべきと思いますが、再度総合政策部長に伺います。 ○野田尚吾 議長 高橋正英総合政策部長。 ◎高橋正英 総合政策部長 再々質問にお答えいたします。議員のお話にございますとおり、土地利用に関しては総合的、一体的な施策の推進を図るという点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、各個別計画法、あるいは諸計画の上位に立つ計画として、当然、本来的に持っているべき業務かと思います。ただ一方で、またご指摘のとおり、実態的に総合的調整が個別案件ごとにうまく機能しているかどうかにつきましては、また、私どももこれから十分に次期計画を検討する中で考えていきたいと思っております。  二地域居住のお話、あるいは住宅の関係等々個別部分もございますが、それにつきましてはやはり個別法の運用の中で、先ほど申し上げました全体的な基本理念をいわば通底する中で考えていくことになろうかと思います。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 土地利用計画は国から県へ、そしてまた、県の場合には、市町村がこの県計画に基づいて市町村計画をつくるという縦の系列になっているわけであります。個別計画がひとり歩きしていると私が申し上げたのは、いろいろと素案を読みましたが、個別計画を単に張りつけただけの発想で計画ができていると思われるので、そういうものであってはいけないという観点で申し上げたわけであります。  現在、過疎地域自立促進方針の素案が公表されているわけでありますが、ここでも土地利用については、県民が住むとか、住んでみたいといった次期総合計画の理念、あるいは産業を興すといった視点は見られないのでございます。相も変わらず、過疎地の自然環境や生活様式への賛美、あるいは都市住民との交流といった観点で方針が策定されています。やはり定住化政策をしっかりと打ち出し、そのためにはあらゆる政策を総動員するという気構えが必要だということを申し上げまして、次の質問に移ります。  次期農業振興計画についてでございます。農林水産省の発表では、ことしの本県のお米の作柄は平年並みとのことですが、安心ばかりはしていられません。二〇〇九年産米の在庫も多く残っていまして、需給の緩みが心配されています。事実、去る八月三十日決定のJA全農とちぎの米概算金、六十キログラム、紙袋ベースでありますが、コシヒカリなど押しなべて昨年より二千百円から二千五百円と大幅な価格低下が見られるわけです。  米の消費は一人当たり五十八・五キログラムまで落ち込み、来年の米需要は八百五万トンに下方修正されましたから、ことし八百十三万トンでありました生産数量目標は、さらに厳しくなることが予想されます。その一方で、食料自給率は四〇%、正確には三九・六%となっていまして、政府が目標とする二〇二〇年までに五〇%との目標達成は極めて厳しい事態になるわけであります。農産物の中の米だけを取り上げましたが、もはや米価の維持政策だけではどうにもならない事態に陥ったと私は考えております。  今後の地域農業を考えるとき、総農家数が減る、農業従事者の高齢化が進む、販売農家数が減り、その一方で専業農家がわずかにふえる、販売額で百万円未満の小規模農家が六〇%を占めるという現状、県内には九千ヘクタールもの耕作放棄地があり、十万ヘクタールの水田面積があるのに、四万ヘクタールが米の生産調整、減反をしているといったように、幾つかの指標を見ましても、農業の行く末には、私たちの一層の知恵と努力が要請されているように見受けられます。  一方では、私は、農林環境委員長として、農業の現場を見たり、意欲のある農業者と接する中で、本県農業の今後の確かな成長の可能性も感じ取っているところであります。そこで、県は、平成二十三年度からの次期農業振興計画を策定することにして、今、農政審議会において審議が進められているわけですが、これからの本県農業のありようについて、どのような新たな計画、将来ビジョンを策定しようとするのか、福田知事にお伺いします。 ○野田尚吾 議長 福田富一知事。    (福田富一知事登壇) ◎福田富一 知事 ただいまのご質問にお答えいたします。農業は、担い手の減少や農産物価格の低迷など、さまざまな課題を抱えておりますが、一方で、近年、食と健康への関心の高まりに加え、職業や雇用の場としての農業が注目されております。私は、このような情勢をチャンスと受けとめており、創意工夫を生かすことで、農業は大きく飛躍できる可能性があると考えております。  本県は、人、物の交流拠点として優位な地理的条件にあり、首都圏を初め全国の多様な需要への迅速な対応が可能であるとともに、観光客入り込み数が五年間で一千万人以上増加するなど、県内のマーケットも大きく拡大しております。また、県内には食品関連産業の立地が多いことから、フードバレーとちぎを目指した産業連携により、農産物の高付加価値化が期待されるなど、本県農業は多くの潜在力を有しております。  次期農業振興計画の策定に当たりましては、こうした本県の強みや発展可能性を生かし、知恵と技術によって競争力の高い生産体制づくりを進め、魅力ある産業としての農業の持続的な発展を目指してまいります。  また、農業・農村には、環境の保全や潤いの場の提供など、県民が豊かな生活を送る上で必要なさまざまな効用もあることから、農業の活力を高めながら、その促進を図ってまいりたいと考えております。今後、農政審議会等でご意見をいただきながら、あすを担う人材の育成や農業の高付加価値化などを計画の重点的な戦略に位置づけ、若者が夢の持てる活力ある農業の実現に向け取り組んでまいります。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 現在、農政審議会に諮問中だということであります。それは白紙で諮問したわけではないと思いますし、一つの意図を持ちまして諮問をし、今、その一端を述べていただいたということであります。世界農林業センサスが九月七日に発表になりまして、栃木県のデータはまだでありますが、日本の農家数がこの五年間で三十三万三千戸減って百六十七万戸に、農業就業人口については七十五万人減って二百六十万人になったということが出ておりまして、そういった意味合いにおきましては、これからの農業は、本当に真剣な対応をしないといけないと思っているわけであります。  そこで、農政部長に伺いますが、地域主権のもとで本県農業を産業として発展させていくために、本県農業のあり方を、大胆に個性豊かなものとして打ち出していく必要があると思っているのです。そうした意味で、次期農業振興計画を実効性のある計画にしてほしいと思うわけですが、そのためには、特に農業で生計を立て経営の発展を目指す真に意欲のある農業者を、重点的に支援していく必要があると考えているわけであります。次期総合計画でも、人づくりが政策の基本だとしているわけでありますから、農業においても、人づくりを重要視して取り組むことが最も重要であると考えます。そこで、意欲ある農業者の育成にどのように取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 吉沢崇農政部長。 ◎吉沢崇 農政部長 ただいまの再質問にお答えいたします。本県農業の持続的な発展を図っていくためには、今、おっしゃられたように、経営感覚にすぐれた意欲ある農業者の育成が非常に重要だと考えておりまして、次期農業振興計画の中におきましても、中心的な戦略に位置づけていきたいと考えております。  そのような中で、十月にとちぎ農業ビジネススクールを開校することにしておりますが、そこでは経営能力の養成でありますとか、例えば経営規模の拡大を目指す農業者に対しまして、農地の集積とか施設の整備、あるいは農業者みずからが加工とか販売という多角的な経営に取り組むという対策が必要になってくると考えております。今後、農政審議会等のご意見をいただきながら、これらの対策を効果的に組み立てていきまして、意欲ある農業者の経営発展を促進してまいりたいと考えております。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 重点的な支援と申し上げたのは、どうしても総合計画あるいは農業振興プランは、総合的網羅型のプランになりがちなのでございますが、そこは特化し、特徴を出した施策とすることが重要だと思っておりますので、ぜひともご検討願うようにお願いしたいと思います。次の質問に入ります。
     生物多様性とちぎ戦略についてお伺いいたします。最近、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種Ⅰ類に分類にされるクロシジミというチョウが茂木町で発見されています。三年前には、私の地元下野市でもサクラソウ科の多年草トウサワトラノオの発見があり、私も保全について質問した経緯がありますが、今では、保護活動が地域住民や高校生によって取り組まれています。シモツケコウホネ、ナガレコウホネあるいはミヤコタナゴもそうでした。  悠久の歴史を刻む大自然の中で、ほんのいっときでしかないここ数年でも、これほどに動植物の世界で絶滅が危ぶまれる事態になっていることを、私たちは危機感を持って認識する必要があります。県内には約一万七千種の動植物が確認されていまして、そのうちの八百七十八種が絶滅のおそれがあるとされ、それも、今後、増加の方向と専門家は指摘しています。夏の定番であるクワガタは少なくなり、秋の七草のキキョウやフジバカマといった野生動植物が減る一方で、ブラックバスやオオハンゴンソウなど、外来種の繁殖により河川や湿地の生態系は乱されています。豊かな生物多様性が失われてきているということであります。  生物多様性とは、多くの生き物が個性を持ってつながり合いながらバランスを保って生きていることを言うわけですが、今後、生物多様性の理解を深めることは重要です。折しもことしは国際生物多様性年でありまして、来月には国際生物多様性条約第十回締約国会議、いわゆるCOP10、いわば世界生き物会議が名古屋市で開催されまして、機運は高まっています。  こうした中で、県では今月、生物多様性とちぎ戦略を策定いたしました。まことにタイムリーな取り組みであります。そこで、県では今後、生物多様性とちぎ戦略に掲げた基本理念の実現を図るために、どのように取り組んでいこうとされるのか、環境森林部長にお伺いします。 ○野田尚吾 議長 三浦義和環境森林部長。    (三浦義和環境森林部長登壇) ◎三浦義和 環境森林部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。県におきましては、豊かな生物多様性を守り、育て、その恵みを次の世代に引き継ぐため、人と自然が共生する栃木の実現を基本理念とする生物多様性とちぎ戦略を今月十四日に策定・公表したところでございます。この戦略におきましては、本県の特徴を踏まえまして、里地里山保全再生、河川湿地保全再生等の五つの重点プロジェクトを中心に保全対策等の取り組みを行うこととしております。  議員ご指摘の絶滅のおそれが高まっている種につきましては、野生動植物保全プロジェクトの中で、その生息・生育地を新たに自然環境保全地域に指定し保全措置等を講ずるほか、生態系の維持・回復を図るため、外来種駆除等の取り組みを進めてまいります。また、生物多様性への理解を深めることが重要でありますことから、地域での保全活動のリーダーとなります生物多様性アドバイザーの養成や、県民参加型のいきものつながり調査などを通じまして、生物多様性を支える人づくりを推進してまいります。今後とも、県民、団体、企業等の多様な主体と連携・協働しながら、生物多様性とちぎ戦略に掲げた目標の実現に向け、地域での保全活動等に積極的に取り組んでまいります。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 県が策定した今度の戦略は、人と自然が共生する栃木を大きなテーマとしているわけであります。名古屋市でのCOP10開催に先立ちまして、二〇一〇年目標の達成状況を評価するという名目で、地球規模生物多様性概況がことしの五月十日に発表になっています。結論は多々あるわけですが、その中の一つには、今後、十年から二十年の間にとられる行動が、過去一万年にわたって人類が依存してきた環境条件を二十一世紀にも維持できるかどうかを決めるとあります。しっかりとした確かな取り組みが求められることになるわけであります。  環境森林部長に再質問いたします。クリヤマハハコという環境省と本県が指定した絶滅危惧種があります。川治ダムの建設に伴って水没予定地から移植されたものでありますが、今般、県の林道工事に伴い被害を受けていたという報道がありました。こうしたことは、希少種の保護に率先して取り組むべき県において、あってはならないことだと思います。県では、再発防止にどのように取り組むつもりなのか、環境森林部長にお伺いします。 ○野田尚吾 議長 三浦義和環境森林部長。 ◎三浦義和 環境森林部長 ただいまの再質問にお答え申し上げます。まず、林道前沢稲川線の工事に伴いまして、議員ご指摘のクリヤマハハコに被害を与えたことにつきましては、県民の皆様、それから、地元関係者の皆様に深くおわびを申し上げる次第でございます。この工事でございますが、昨年の九月に林道のり面の落石防止工事を施工していましたところ、十一月三十日に地元の方からクリヤマハハコの移植地であるとのご指摘を受けまして、直ちに当該箇所の工事を中止したところでございます。県といたしましては、今回の事態を重く受けとめまして、今後、公共工事に係る生物多様性保全マニュアルを作成し、また、関係職員に対する研修を行うなど、再発防止に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 昨年はとちぎ環境立県戦略が打ち立てられ、ことしは生物多様性とちぎ戦略が策定されました。環境政策もいよいよ本腰を入れていく時期になったということでありまして、本県の県民参加のもとでの環境政策が実のあるものになることを期待して、次の質問に移ります。  県の自主的な環境への取り組みについてお伺いします。栃木県庁という大きな組織が活動することによって生じる環境への負荷を低減していくこと、このことは、栃木県が率先して環境問題に取り組むことで、県内の幾多の企業や団体にもよい影響をもたらすことになると思います。まずは、「隗より始めよ」でありまして、福田知事が平成二十年三月十四日に国際標準化機構が定めた環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001、環境ISOの認証を取得したことは、大変意義深いことでありましたし、一定の成果を上げてきたものと思います。  しかし、最近では、全国の自治体で環境ISO認証を更新しないところがふえてきているようです。その理由は、業務が特化している民間企業に比べて、業務が多岐多様にわたる自治体にはなじまない、外部審査機関に支払う費用や膨大な書類作成の事務が負担になったといった事情があるようでございます。その一方では、外部審査を受けることを重んじて、継続にこだわる自治体もあるわけです。  私は、どこの自治体も環境マネジメントシステムをつくって環境への負荷の低減に率先して取り組むこと、そのことが重要で、本県では、特に本庁組織にのみ限定していたこの取り組みを、文字どおり全庁に拡大する必要もあると考えているわけです。来年三月十三日の環境ISO認証登録期限を目前にしまして、今後、どのように取り組んでいくのか、環境森林部長にお伺いします。 ○野田尚吾 議長 三浦義和環境森林部長。    (三浦義和環境森林部長登壇) ◎三浦義和 環境森林部長 ただいまのご質問にお答え申し上げます。県では、栃木県庁環境保全率先実行計画などに基づきまして、みずからが環境に与える負荷の低減に取り組み、さらに、本庁においては、平成十九年度からISO14001に基づく環境マネジメントシステムを運用し、平成二十年三月には認証を取得したところでございます。その結果、節電あるいは紙の消費量削減など、職員の環境意識が向上し、県が排出する温室効果ガスの抑制につながったところでございます。こうした取り組みをさらに強化するため、これまでの運用により蓄積したノウハウを生かしまして、本県独自の環境マネジメントシステムを新たに構築し、平成二十三年度から県立学校を含む全庁に拡大したいと考えております。  構築に当たりましては、業務の類型化や報告プログラムの導入などによりまして事務負担を軽減し、各種の規程を平易な表現にするなど、効果的かつ効率的でわかりやすいシステムとしたいと考えているところでございます。  また、これまでの内部監査や職員研修につきましても、引き続き実施して実効性を担保するとともに、県民による外部評価を導入いたしまして、客観性・透明性を確保してまいる考えであります。今後とも、引き続き環境負荷低減に向けまして、職員一丸となって率先して取り組んでまいります。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 栃木県独自のシステムを構築し、平成二十三年度からは全庁で対応するという答弁でありました。この環境ISOを認証取得した公的な施設は、最盛期の二〇〇四年には五百十四に達したが、ことしの九月には二百二十三にまで落ち込んだという報告があります。私は、先ごろ、三重県の行政改革の実情を調査してきましたが、その際、環境マネジメントシステムについて伺いましたところ、三重県では、引き続き環境ISOでいくということでした。今後、自治体によって対応が分かれることになりますが、栃木県の独自システムをしっかりとしたものにして、組織体としての栃木県が、率先して環境の負荷低減に取り組んでいただくことを要望申し上げて、次の質問に移ります。  障害者工賃倍増五か年計画についてであります。景気の低迷が長引き、戦後最低の水準で横ばい状態にあります雇用情勢を色濃く反映しまして、障害者就労支援事業所においても仕事の受注が減り、みずからの製品の販売にも苦しむ事態が続いています。それぞれの就労支援事業所においても、懸命の努力をしているわけですが、それだけではどうにもならない環境にあるということであります。  今、県では、平成十八年度の水準を基準としまして、平成十九年度から平成二十三年度までに月額平均工賃を二倍の二万六千円とする工賃倍増五か年計画に取り組んでいるところですが、三年を経過した平成二十一年度までの取り組みの成果について、私が平成二十一年三月議会でも取り上げて政策化に踏み込んだ、県や市町村を発注者とする官公需の実績も含めてお示し願いたいのであります。あわせて工賃水準を高めるために、今後、どのように取り組むのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 北澤潤保健福祉部長。    (北澤 潤保健福祉部長登壇) ◎北澤潤 保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えいたします。県では、これまで障害者工賃倍増五か年計画に基づき、雇用契約に基づく就労が困難な障害者に対し、就労や生産活動の機会の提供を行っている事業所などにおける工賃アップに向け、さまざまな取り組みを行ってまいりましたが、景気の停滞等から、昨年度の工賃実績は三年前に比べ五・七%増の一万三千二百八十円にとどまっております。  官公需につきましては、官公需コーディネーター等を設置して受注促進を図った結果、昨年度の県分の実績が四百五十七万円で前年度の三・五倍に、市町村分が九百二十二万円で一・五倍に増加いたしましたが、需要の多い分野に対応できる事業所が限られていたり、小規模な生産体制のため受注につながらないなどの課題もあり、障害者就労支援事業所のさらなる取り組み強化が必要であります。  県といたしましては、受注を拡大し、一層の工賃アップを図るため、官公庁や企業に対する販売促進活動をさらに充実するとともに、商品力向上のためのメンター派遣や、生産体制を強化するための施設整備費補助等の活用を促進し、事業所の取り組みを積極的に支援してまいります。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 平成十八年水準で一万八千円の後半ということでありましたので、三年を経過しましても、平均工賃を大幅に引き上げることは非常に難しい状況だと思うわけであります。経済が低迷する大変厳しい状況下において、ある意味、平均工賃が現行水準を維持していることは、よくもちこたえているとも言えるし、官公需がそこを支えたということもできると思っております。  今の保健福祉部長のお話では、官公需では栃木県の支出が四百五十七万円で、前年度の三・五倍の伸びだということでしたので、努力の跡もうかがえると思いますが、もともと絶対額で言えば少なかったわけでありますから、これからだと思うわけであります。計画では、潜在的需要は県全体では七千六百万円に上り、一般会計予算の一万分の一程度は見込めるとしているわけでありますから、私は、今後に期待したいと思うわけであります。  そこで、再質問いたしますが、障害者の就労施設は県内各地に点在しており、そういう意味では多極分散型になっているわけでありますから、市町村も含めて出先機関や学校の理解が大変重要になると思います。その点で、今後の対応方針を保健福祉部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 北澤潤保健福祉部長。 ◎北澤潤 保健福祉部長 ただいまの再質問にお答えいたします。これまで官公需コーディネーターなどが、県内の障害者就労支援事業所の作成している製品とか、あるいは提供しているサービスなどについてまとめたとちぎナイスハートカタログを県内の官公庁や企業等に配付し、製品などの利用を働きかけてきたところでございます。今後につきましては、県庁の各部局、出先機関はもとより、市町村や国の関係機関にも積極的に働きかけまして、さらなる官公需の発注を促進してまいりたいと考えておりますし、官公需にとどまらず、国、県、市町村の関係団体に対しましても、カタログなどを活用して働きかけを行いまして、需要の掘り起こしに努めてまいりたいと考えております。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 保健福祉部長からお話がありましたカタログは、各施設においてどういった仕事ができるかということが詳細に記されているわけでありますので、私たちも県民の皆さんも、大いに利用してほしいと思うわけであります。  そこで、官公需につきまして教育長にお伺いいたします。知事部局以外では、警察本部ではしっかりと対応していただきまして、数字も出ていると思います。しかし、県庁の出先機関はまだまだだですし、特に教育委員会の対応は、残念ながら実態としては余り芳しくないと思っております。前回、私の議会質問で、教育長には意欲あるご答弁をいただいているわけでありますが、その意欲とは裏腹に現実は大変厳しいものがあります。学校の理解を得る努力も含めて、教育長に今後の対応方針についてお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 須藤稔教育長。 ◎須藤稔 教育長 ただいまの再々質問についてお答え申し上げます。前回、ご質問をいただいた後、平成二十一年三月でございますが、県立学校長または出先機関長に早速通知をしまして、指導の徹底を図ってきたところでございます。図ったことにより今、少しずつではありますが、効果を上げつつあると思っております。今後とも、さらなる周知を図ってまいりたいと思っております。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 官公需は、新たな予算措置を必要とするものではありません。品質において全く劣らないものを、真心いっぱいのところから調達するということでありますので、ぜひとも皆さんにもご理解を賜りたい。工賃倍増計画の期間もあと一年有余になりました。ぜひともしっかりとした対応をお願いして、次の質問に移ります。  本場結城紬の振興策について伺います。地域の伝統産業は、概して手づくり、手びねりといった手工業の様相を呈しているわけでありますが、今日の工業化全盛という時代環境や消費動向もあり、大変厳しい事態に陥っています。結城紬もその例外ではありません。本場結城紬の生産を見ますと、平成十九年度までは何とか五千反台を維持していたものが、平成二十年度には三千七百三十七反と一気に三千反台になり、平成二十一年度には二千三百八十一反、一気に二千反台へと急激な生産減に陥っているわけであります。最盛期には三万反台を生産していたころからすれば、今では、その一割にも満たない生産量という状況でございます。  栃木県本場結城紬織物協同組合の組合員数も、平成二十年に百十四人、平成二十一年に九十三人、ことしの四月一日には六十二人にまで減少してきました。高齢化が進み、何よりも仕事が少ないので、やめることを決断してしまうのです。生産量の減少、後継者不足、そして、価格の低迷のもと、このままではこの伝統ある産業が衰退してしまうのではないかと危惧しています。  ことしの十一月には、この本場結城紬がユネスコの世界無形文化遺産として、正式に登録の運びでございます。こうしたことを契機として、産地に元気を取り戻し、新たな需要の開拓を行うなどの新たな支援策、販売促進を図る努力が必要だと思います。そこで、県では、結城紬の現状をどうとらえ、県としての本場結城紬の振興方策をどのように考えるのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 大森敏秋産業労働観光部長。    (大森敏秋産業労働観光部長登壇) ◎大森敏秋 産業労働観光部長 ただいまのご質問にお答えいたします。結城紬は、本県が誇る伝統工芸品産業でありますが、生産反数や織子の数が年々減少しており、産地は大変厳しい状況に置かれているものと認識しております。このような中、結城紬の振興を図るためには、新たな販路開拓や消費者ニーズを踏まえた新商品開発、伝統的技術を受け継ぐ後継者の育成が重要でございます。  このため、県では、茨城県と両県の産地組合などで構成いたします本場結城紬振興協議会を設置いたしまして、産地即売会の開催を支援しておりますが、特に昨年は東京銀座での求評宣伝会を開催し、販売促進などに大きな成果を上げておりますので、今年度も、引き続き支援してまいりたいと考えております。また、県結城紬技術支援センターでは、昨年度から宇都宮大学と共同で、伝統的技法を活用した染色法を研究するなど、消費者ニーズに合った色合いやデザインの新商品開発に向けた取り組みも行っております。さらには、後継者育成として、今年度新たに緊急雇用の基金を活用して、つなげようとちぎの匠育成事業を実施し、雇用の創出と人材育成を支援しているところでございます。今後とも、協議会と十分連携を図り、引き続き販路開拓を支援するとともに、産地の実情を踏まえた効果的な活性化方策を検討するなど、結城紬の振興に努めてまいります。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) 新たな販路開拓については、結城紬のみならず、伝統産業品は長年にわたる商慣行があり、おいそれと販売もできないという課題があると聞いておりまして、そういったところをクリアしていく努力が必要だと思っているわけであります。  一点ご要望申し上げますが、県では、今般、東京スカイツリー周辺の商業施設にアンテナショップの出店を計画しております。東京スカイツリーには、国内、海外から多くの買い物客や観光客が訪れることが見込まれていますので、こうした場を活用して、結城紬のみならず、伝統工芸品の展示や販売等を行うこともご検討をお願いしたいと思うわけであります。大変厳しい状況にある本場結城紬ですが、十一月二十四日、二十五日には東京の交通会館において、本場結城紬ユネスコ無形文化遺産登録記念展示会も行われますので、こうしたことを通して元気になるよう伝統産業の振興を図りたいと思っているわけであります。次の質問に移ります。  下野市の道路整備でございます。国道四号が今や慢性的な交通渋滞にさらされていまして、この渋滞緩和策を視野に置きながら、下野市の旧石橋町と旧国分寺町を結ぶ都市計画道路の整備が計画されて久しいわけであります。この道路は、下野市の今後の発展にとって欠かせない道路でありまして、地元の期待が大変高いわけであります。現在は、旧石橋町側の工業団地側から整備に着手されていますが、県道笹原壬生線から下野市役所に至る道路の整備についても、早急な着手が望まれているわけであります。  この計画路線の付近に、合併で誕生した下野市が新たに庁舎を建設することにしておりまして、その位置は自治医大駅の西側に予定され、今後、平成二十七年度中の供用開始を目指して庁舎整備が計画されているわけであります。その意味でも、この都市計画道路は、生活幹線道路としまして大変重要な路線になるわけであります。そこで、現在事業を進めている県道笹原壬生線笹原工区の進捗状況と、その南側に当たる県道栃木二宮線に至る計画区間の見通しについて、県土整備部長にお伺いいたします。 ○野田尚吾 議長 池田猛県土整備部長。    (池田 猛県土整備部長登壇) ◎池田猛 県土整備部長 ただいまのご質問にお答えいたします。旧石橋町から旧国分寺町に至る延長約三・六キロメートルの都市計画道路の整備につきましては、並行して走る国道四号の渋滞緩和にもつながるほか、地域の連携を高める重要な路線と考えております。そこで、石橋第三工業団地から南側約一・五キロメートル区間を、県道笹原壬生線の笹原工区として平成十九年度に整備着手し、現在、用地の約六割を取得し、一部流末工事に着手いたしました。今年度も、引き続き用地取得と排水工事を推進し、早期に供用できるよう事業推進に努めてまいります。  残る県道栃木二宮線までの二・一キロメートル区間につきましては、沿道に新しく下野市庁舎の建設が予定され、新庁舎へのアクセス道路としての機能もありますことから、北側の笹原工区の供用に引き続き事業着手できるよう、下野市や関係機関と協議調整を続けてまいります。 ○野田尚吾 議長 若林和雄議員。    (十五番 若林和雄議員登壇) ◆十五番(若林和雄議員) ご要望申し上げますが、過日、実施されました県土整備委員会の現地調査におきましても、地元の下野市からは、第一番目の整備要望項目にあった道路でございます。財政再建の途上とはいいましても、必要な社会資本整備の一環として、早い段階での整備を望むものであります。  私が用意したすべての質問は以上のとおりであります。今回の質問に当たりまして、私は、次の時代の本県の形とか姿といったものについて考えてみました。今、次期総合計画の策定作業が渦中にあり、新しい土地利用基本計画ができる、農業のプランや環境を意識した生物多様性の戦略も整うといった時期にあるわけですから、大変な課題を抱えた時期にあるということです。それぞれの分野で、それぞれが理念、戦略を掲げて本県の姿を描いていこうということでありますが、プランや戦略は、絵にかいたもちでは何にもなりません。未来を見据え、プランの実効性を確かなものにするために、一段の努力が必要になると思うわけであります。  昨年十一月の第四次勧告をもって、地方分権推進委員会がその役割を終えまして、今では、地域主権戦略会議が表舞台に出ているわけですが、地方分権か、地域主権かといった言葉の定義は差しおいても、多年にわたる分権改革論議の末にようやくたどり着いた地点で、今、義務づけ・枠づけの見直しや権限の移譲、一括交付金といった具体的な戦略やプランが出されているわけであります。私は、今後の政府の対応も見きわめ、地方の側の注文も含めて、これからの地域主権改革の行方を見てまいりたいと思います。そのことが、次の時代の本県の形や姿をどうつくるのかということにつながると考えるからであります。ありがとうございました。 ○野田尚吾 議長 以上で本日の日程は終了いたしました。あす三十日は定刻から本会議を開き、上程議案に対する質疑並びに県の一般事務に関する質問を行います。  本日はこれで散会いたします。  午後三時三十分 散会             ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~...